Open Model Zoo のデモ

Open Model Zoo デモは、特定のディープラーニング推論シナリオの実装に役立つテンプレートを提供するコンソール・アプリケーションです。これらのアプリケーションは、モデル推論のためデータを前処理および後処理し、処理パイプラインを編成する方法を示します。一部のパイプラインは、同時に推論される複数のモデルから分析データを収集します。例えば、ビデオストリーム内の人物を検出し、その人物の年齢、性別、感情状態などの身体的属性も検出します

デモのソースコードは、Open Model Zoo の GitHub リポジトリーから入手できます。

git clone --recurse-submodules https://github.com/openvinotoolkit/open_model_zoo.git

C++、C++ G-API、および Python* バージョンは、それぞれ cppcpp_gapi および python サブディレクトリーにあります。

Open Model Zoo には次のデモが含まれています。

デモに利用可能なメディアファイル

デモ・アプリケーションを実行するには、https://storage.openvinotoolkit.org/data/test_data/videos のビデオを参照できます。

事前トレーニングされたモデルをサポートするデモ

OpenVINO モデル・ダウンローダーを使用して、インテルの事前トレーニング・モデルまたは公開の事前トレーニング・モデルをダウンロードできます。

デモ・アプリケーションをビルド

デモをビルドするには、OpenVINO™ 環境を source し、OpenCV を取得する必要があります。OpenVINO™ ツールキットは、インテル® ディストリビューションの OpenVINO™ ツールキットのインストール・パッケージからインストールすることも、ビルド手順に従って OpenVINO GitHub リポジトリーから入手可能なオープンソース・バージョンをビルドすることもできます。インテル® ディストリビューションの OpenVINO™ ツールキットがマシンの <INSTALL_DIR> ディレクトリーにインストールされている場合は、デモをビルドする前に、次のコマンドでビルド済みの OpenCV をダウンロードして環境変数を設定します。

source <INSTALL_DIR>/setupvars.sh

注: Python* デモのみを使用する場合は、OpenVINO Python* パッケージをインストールできます。

pip install openvino

OpenVINO のオープンソース・バージョンでは、次の変数を設定します。

  • OpenVINO_DIROpenVINOConfig.cmake を含むフォルダーを指しています。

  • OpenCV_DIR は OpenCV を指します。OpenVINO とデモのビルドの両方で同じ OpenCV バージョンを使用する必要があります。

あるいは、cmake 実行中にコマンドラインでこれらの値を指定することもできます。CMake 検索手順を参照してください。また、デモをビルドする前に、ビルドされた OpenVINO™ ランタイム・ライブラリーへのパスを LD_LIBRARY_PATH (Linux*) または PATH (Windows*) 環境変数に追加します。

Linux* でデモ・アプリケーションをビルド

公式にサポートされている Linux* ビルド環境は次のとおりです。

  • Ubuntu* 18.04 LTS 64 ビット、または Ubuntu* 20.04 LTS 64 ビット

  • GCC* 7.5.0 (Ubuntu* 18.04 向け) または GCC* 9.3.0 (Ubuntu* 20.04 向け)

  • CMake* バージョン 3.10 以降

Linux 用のデモ・アプリケーションをビルドするには、build_demos.sh スクリプトのあるディレクトリーに移動し、スクリプトを実行します。

build_demos.sh

デモ・アプリケーションを手動でビルドすることもできます。

  1. 書き込みアクセス権のあるディレクトリーに移動し、demos ビルド・ディレクトリーを作成します。この例では、build という名前のディレクトリーを使用します。

    mkdir build
    
  2. 作成したディレクトリー移動します。

    cd build
    
  3. CMake を実行して、リリースまたはデバッグ構成用の Make ファイルを生成します。

    • リリース構成:

      cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release <open_model_zoo>/demos
      
    • デバッグリリース構成:

      cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Debug <open_model_zoo>/demos
      
  4. cmake --build ツールを実行してデモをビルドします。

    cmake --build .
    

リリース構成の場合、デモ・アプリケーションのバイナリーは <path_to_build_directory>/intel64/Release/ にあります。デバッグ構成の場合、<path_to_build_directory>/intel64/Debug/ にあります。

Microsoft Windows* でデモ・アプリケーションをビルド

推奨される Windows* のビルド環境は次のとおりです。

  • Microsoft* Windows* 10

  • Microsoft Visual Studio* 2019

  • CMake* バージョン 3.14 以降

Windows* 用のデモ・アプリケーションをビルドするには、build_demos_msvc.bat バッチファイルのあるディレクトリーに移動して、それを実行します。

build_demos_msvc.bat

デフォルトでは、スクリプトはマシンにインストールされている Microsoft Visual Studio* の最新バージョンを自動的に検出し、デモコード用のソリューションを作成および構築します。オプションで、スクリプトで使用する Microsoft Visual Studio* のバージョンを指定することもできます。サポートされるバージョンは、VS2019 です。例えば、Microsoft Visual Studio* 2019 を使用してデモをビルドするには、次のコマンドを使用します。

build_demos_msvc.bat VS2019

デフォルトで、デモ・アプリケーションのバイナリーは、C:\Users\<username>\Documents\Intel\OpenVINO\omz_demos_build\intel64\Release ディレクトリーにビルドされます。デフォルトのビルドフォルダーは、-b オプションで変更できます。例えば、次のコマンドは Open Model Zoo のデモを c:\temp\omz-demos-build フォルダーにビルドします。

build_demos_msvc.bat -b c:\temp\omz-demos-build

例えば、デバッグ構成でバイナリーをビルドする場合など、生成されたソリューションを自身でビルドすることもできます。適切なバージョンの Microsoft Visual Studio を実行し、C:\Users\<username>\Documents\Intel\OpenVINO\omz_demos_build\Demos.sln ディレクトリーから生成されたソリューション・ファイルを開きます。

cmake --build ツールを使用してデモ・アプリケーションをビルドすることもできます。

  1. 書き込みアクセス権のあるディレクトリーに移動し、demos ビルド・ディレクトリーを作成します。この例では、build という名前のディレクトリーを使用します。

    md build
    
  2. 作成したディレクトリー移動します。

    cd build
    
  3. CMake を実行してプロジェクト・ファイルを生成します。

    cmake -A x64 <open_model_zoo>/demos
    
  4. cmake --build ツールを実行してデモをビルドします。

    • リリース構成の場合:

      cmake --build . --config Release
      
    • デバッグ構成の場合:

      cmake --build . --config Debug
      

Python* デモの依存関係

Python デモの依存関係は、実行前にインストールする必要があります。これは次のコマンドで実現できます。

python -mpip install --user -r <omz_dir>/demos/requirements.txt

Python* モデル API パッケージ

Python* モデル API は別のパッケージとして抽出されます。インストールについては、Python モデル API のドキュメントを参照してください。同時に、デモはこのパッケージを検出できます。デモのためモデル API をインストールする必要はありません。

ネイティブ Python* 拡張モジュールをビルド

一部の Python デモ・アプリケーションでは、実行する前にネイティブ Python 拡張モジュールをビルドする必要があります。これには、Python 開発ファイル (ヘッダーとインポート・ライブラリー) がインストールされている必要があります。これらのモジュールをビルドするには、上記のデモ・アプリケーションのビルド手順に従いますが、使用するコマンドに応じて、cmake または build_demos* コマンドに -DENABLE_PYTHON=ON を追加します。
例:

cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -DENABLE_PYTHON=ON <open_model_zoo>/demos

モジュールがビルドされたら、デモのビルドフォルダーを PYTHONPATH 環境変数に追加します。

特定のデモをビルド

特定のデモをビルドするには、上記のデモ・アプリケーションのビルド手順に従いますが、--target <demo1> <demo2> ...cmake --build コマンドの追加するか、--target="<demo1> <demo2> ..."build_demos* コマンドに追加します。cmake --build ツールは、バージョン 3.15 以降で複数ターゲットをサポートしますが、それ以前のバージョンでは 1 つのターゲットのみを指定できることに注意してください。

Linux*:

cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release <open_model_zoo>/demos
cmake --build . --target classification_demo segmentation_demo

または

build_demos.sh --target="classification_demo segmentation_demo"

Microsoft Windows*:

cmake -A x64 <open_model_zoo>/demos
cmake --build . --config Release --target classification_demo segmentation_demo

または

build_demos_msvc.bat --target="classification_demo segmentation_demo"

デモ・アプリケーションの実行を準備

Linux* でデモ・アプリケーションの実行を準備

コンパイルされたバイナリーファイルを実行する前に、アプリケーションが OpenVINO™ および OpenCV ライブラリーを検出できることを確認してください。独自のディストリビューションでデモをビルドする場合、setupvars スクリプトを実行して必要な環境変数をすべて設定します。

source <INSTALL_DIR>/setupvars.sh

独自の OpenVINO™ および OpenCV バイナリーでデモをビルドする場合、それらが LD_LIBRARY_PATH 環境変数に追加されていることを確認してください。

(オプション): OpenVINO 環境変数は、シェルを閉じると解除されます。オプションとして、次のように環境変数を永続的に設定できます。

  1. <user_home_directory> にある .bashrc ファイルを開きます。

    vi <user_home_directory>/.bashrc
    
  2. 次の行をファイルの最後に追加します。

    source <INSTALL_DIR>/setupvars.sh
    
  3. ファイルを保存して閉じます: Esc キーを押し、:wq と入力して Enter キーを押します。

  4. 変更をテストするには、新しいターミナルを開きます。[setupvars.sh] OpenVINO environment initialized というメッセージが確認できます。

ネイティブ Python 拡張モジュールを必要とする Python デモ・アプリケーションを実行するには、さらに次のように PYTHONPATH 環境変数を設定する必要があります。<bin_dir> は、ビルドされたデモ・アプリケーションが含まれるディレクトリーです。

export PYTHONPATH="<bin_dir>:$PYTHONPATH"

デモ・アプリケーションを実行する準備ができました。特定のデモを実行する方法は、上のデモリストでデモ名をクリックしてドキュメントをお読みください。

Microsoft Windows* でデモ・アプリケーションの実行を準備

コンパイルされたバイナリーファイルを実行する前に、アプリケーションが OpenVINO™ および OpenCV ライブラリーを検出できることを確認してください。必要に応じて、OpenVINO パッケージのダウンローダー・スクリプト <INSTALL_DIR>\extras\opencv\ffmpeg-download.ps1 を使用して、OpenCV コミュニティーの FFmpeg プラグインをダウンロードします。インテル® ディストリビューションの OpenVINO™ ツールキットを使用してデモをビルドする場合、setupvars スクリプトを実行して環境変数をすべて設定します。

<INSTALL_DIR>\setupvars.bat

独自の OpenVINO™ および OpenCV バイナリーを使用してデモをビルドする場合、PATH 環境変数に追加されていることを確認してください。

ネイティブ Python 拡張モジュールを必要とする Python デモ・アプリケーションを実行するには、さらに次のように PYTHONPATH 環境変数を設定する必要があります。<bin_dir> は、ビルドされたデモ・アプリケーションが含まれるディレクトリーです。

set PYTHONPATH=<bin_dir>;%PYTHONPATH%

Windows* の Microsoft Visual Studio* でデモをデバッグまたは実行するには、デバッグ構成リリース構成の両方にデバッグ環境が適切に設定されていることを確認してください。OpenCV ライブラリーへの正しいパスを設定し、OpenVINO™ ライブラリーのバージョンをデバッグおよびリリースします。例えば、デバッグ構成の場合、プロジェクトの [構成プロパティ][デバッグ] カテゴリーに移動し、[環境] フィールドの PATH 変数を次のように設定します。

PATH=<INSTALL_DIR>\runtime\bin\intel64\Debug;<INSTALL_DIR>\extras\opencv\bin;%PATH%

ここで、<INSTALL_DIR> は、OpenVINO ツールキットがインストールされているディレクトリーです。

デモ・アプリケーションを実行する準備ができました。特定のデモを実行する方法は、上のデモリストでデモ名をクリックしてデモのドキュメントをお読みください。