サンプルを使ってみる

OpenVINO サンプルを使用するには、次のディストリビューションのいずれかを使用して OpenVINO をインストールします。

アーカイブファイルから OpenVINO ランタイムをインストールすると、サンプル・アプリケーションが次のディレクトリーに作成されます。

  • <INSTALL_DIR>/samples/python

  • <INSTALL_DIR>/samples/cpp

  • <INSTALL_DIR>/samples/c

サンプルなしで OpenVINO をインストールした場合でも、OpenVINO リポジトリーから直接サンプルを取得できます。

サンプルをビルドする前に、システム要件ページを参照して、すべての前提条件がインストールされていることを確認してください。次の手順を実行できます。

  1. サンプルをビルド

  2. サンプルを選択

  3. 適切なモデルをダウンロード

  4. 必要に応じて、入力として使用するメディアファイルをダウンロード

すべての手順を実行したら、選択したサンプル・アプリケーションで推論を実行して結果を確認できます。

サンプル・アプリケーションをビルド

OpenVINO サンプルページから使用するサンプルを選択し、以下の手順に従って使用するオペレーティング・システム向けにビルドします。

一部のサンプルは、実行するために OpenCV を必要とするものもあります。ビジョン指向のサンプルでは必ずインストールしてください。

以下は、CMake を使用してサンプル・アプリケーションをビルドする方法を示します。ソースからビルドする場合は、GitHub でビルド手順を確認してください。

各 Python サンプルのディレクトリーには、requirements.txt ファイルが含まれています。このファイルは、サンプルを実行する前にインストールする必要があります。

cd <INSTALL_DIR>/samples/python/<SAMPLE_DIR>
python3 -m pip install -r ./requirements.txt

Linux 用の C または C++ サンプル・アプリケーションをビルドするには、それぞれ <INSTALL_DIR>/samples/c または <INSTALL_DIR>/samples/cpp ディレクトリーに移動し、build_samples.sh スクリプトを実行します。

build_samples.sh

実行が完了すると、次のディレクトリーにバイナリーが作成されます。

  • C サンプル: ~/openvino_c_samples_build/<architecture>/Release

  • C++ サンプル: ~/openvino_cpp_samples_build/<architecture>/Release
    ここで、<architecture> は uname -m の出力です (例: intel64armhf、または aarch64)。

サンプル・アプリケーションは手動でビルドすることもできます。

製品を root ユーザーでインストールした場合は、続行する前に root モードに切り替えてください: sudo -i

  1. 書き込みアクセス権のあるディレクトリーに移動し、サンプルのビルド・ディレクトリーを作成します。この例では、build という名前のディレクトリーを使用します。

    mkdir build
    

    インストール中にイメージ分類検証スクリプトを実行した場合、C++ サンプルのビルド・ディレクトリーがホーム・ディレクトリーに作成されます: ~/openvino_cpp_samples_build/

  2. 作成したディレクトリー移動します。

    cd build
    
  3. CMake を実行して、リリース構成の Make ファイルを生成します。例えば、C++ サンプルでは次のようになります。

    cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release <INSTALL_DIR>/samples/cpp
    
  4. make を実行してサンプルをビルドします。

    cmake --build . --parallel
    

リリース構成では、サンプル・アプリケーションのバイナリーは <path_to_build_directory>/<architecture>/Release/ に配置され、デバッグ構成では、<path_to_build_directory>/<architecture>/Debug/ に配置されます。

各 Python サンプルのディレクトリーには、requirements.txt ファイルが含まれています。このファイルは、サンプルを実行する前にインストールする必要があります。

cd <INSTALL_DIR>\samples\python\<SAMPLE_DIR>
python -m pip install -r requirements.txt

Microsoft Visual Studio* 2019 を使用する場合は、CMake 3.14 以降をインストールする必要があります。

PowerShell またはコマンドプロンプトを使用して、Windows* 上で C または C++ サンプル・アプリケーションをビルドできます。

PowerShell でサンプルをビルドするには、次のコマンドを実行します。

& <path-to-build-samples-folder>/build_samples.ps1

CMD でサンプルをビルドするには、それぞれ <INSTALL_DIR>\samples\c または <INSTALL_DIR>\samples\cpp ディレクトリーに移動し、build_samples_msvc.bat スクリプトを実行します。

build_samples_msvc.bat

デフォルトでは、スクリプトはシステムにインストールされている Microsoft Visual Studio* の最新バージョンを自動的に検出し、サンプルコードのソリューションの作成およびビルドを行います。

実行が完了すると、次のディレクトリーにバイナリーが作成されます。

  • C サンプル: C:\Users\<user>\Documents\Intel\OpenVINO\openvino_c_samples_build\<architecture>\Release

  • C++ サンプル: C:\Users\<user>\Documents\Intel\OpenVINO\openvino_cpp_samples_build\<architecture>\Release
    ここで、<architecture> は echo PROCESSOR_ARCHITECTURE% の出力です (例: intel64 (AMD64)、または arm64)。

生成したソリューションは手動でビルドすることもできます。例えば、デバッグ構成で C++ サンプルバイナリーをビルドする場合、適切なバージョンの Microsoft Visual Studio* を実行し、生成されたソリューション・ファイルを C:\Users\<user>\Documents\Intel\OpenVINO\openvino_cpp_samples_build\Samples.sln ディレクトリーから開きます。

各 Python サンプルのディレクトリーには、requirements.txt ファイルが含まれています。このファイルは、サンプルを実行する前にインストールする必要があります。

cd <INSTALL_DIR>/samples/python/<SAMPLE_DIR>
python3 -m pip install -r ./requirements.txt

OpenVINO ツールキットのオープンソース・バージョンからサンプルをビルドするには、GitHub のビルド手順を参照してください。

macOS* 用の C または C++ サンプル・アプリケーションをビルドするには、それぞれ <INSTALL_DIR>/samples/c または <INSTALL_DIR>/samples/cpp ディレクトリーに移動し、build_samples.sh スクリプトを実行します。

build_samples.sh

実行が完了すると、次のディレクトリーにバイナリーが作成されます。

  • C サンプル: ~/openvino_c_samples_build/<architecture>/Release

  • C++ サンプル: ~/openvino_cpp_samples_build/<architecture>/Release

サンプル・アプリケーションは手動でビルドすることもできます。続行する前に、OpenVINO™ の環境が正しく設定されていることを確認してください。次に手動で確認する方法を示します。

cd <INSTALL_DIR>/
source setupvars.sh

製品を root ユーザーでインストールした場合は、続行する前に root モードに切り替えてください: sudo -i

  1. 書き込みアクセス権のあるディレクトリーに移動し、サンプルのビルド・ディレクトリーを作成します。この例では、build という名前のディレクトリーを使用します。

    mkdir build
    

    インストール中にイメージ分類検証スクリプトを実行した場合、C++ サンプルのビルド・ディレクトリーがホーム・ディレクトリーに作成されます: ~/openvino_cpp_samples_build/

  2. 作成したディレクトリー移動します。

    cd build
    
  3. CMake を実行して、リリース構成の Make ファイルを生成します。例えば、C++ サンプルでは次のようになります。

    cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release <INSTALL_DIR>/samples/cpp
    
  4. make を実行してサンプルをビルドします。

    make
    

リリース構成では、サンプル・アプリケーションのバイナリーは <path_to_build_directory>/<architecture>/Release/ に配置され、デバッグ構成では、<path_to_build_directory>/<architecture>/Debug/ に配置されます。

サンプル・アプリケーションをセットアップ

まず、サンプルの概要からサンプルを選択し、記事を読んでその実行方法を学びます。

モデルのダウンロード

推論タスクには固有のモデルが必要です。これは、TensorFlow Zoo、Hugging Face、TensorFlow Hub などのモデル・リポジトリーから取得できます。

モデルの変換

モデルの変換が必要な場合、その方法について記事を確認してください。

使用するメディアをダウンロード

ほとんどのサンプルでは、モデルの入力として画像またはビデオを用意する必要があります。OpenVINO では、サンプルコードやデモ・アプリケーションを実行できるように、いくつかのサンプル画像とビデオが提供されています。

サンプル・アプリケーションを実行するには、ここで入手できるメディア・ファイル・コレクションの画像とビデオを使用できます。代わりに、PexelsGoogle Images などのサイトから取得することもできます。

サンプルで推論を実行

IR モデルを使用して入力画像でコードサンプルを実行するに以下の操作を行います。

  1. OpenVINO 環境変数を設定します。

    source  <INSTALL_DIR>/setupvars.sh
    
    <INSTALL_DIR>\setupvars.bat
    
    source <INSTALL_DIR>/setupvars.sh
    

PowerShell では、OpenVINO 環境変数は次のコマンドを実行することで設定できます。

. <path-to-setupvars-folder>/setupvars.ps1
  1. 以前にサンプルをビルドしたときに作成されたサンプルコードのリリース・ディレクトリーに移動します。

    cd ~/openvino_cpp_samples_build/intel64/Release
    
    cd  %USERPROFILE%\Documents\Intel\OpenVINO\openvino_samples_build\intel64\Release
    
    cd ~/openvino_cpp_samples_build/intel64/Release
    
  2. 入力メディアファイル、モデルの IR、推論を実行するターゲットデバイスを指定して、サンプルコードの実行可能ファイルを実行します。

    python <sample.py file> -m <path_to_model> -i <path_to_media> -d <target_device>
    
    python <sample.py file> -m <path_to_model> -i <path_to_media> -d <target_device>
    
    python <sample.py file> -m <path_to_model> -i <path_to_media> -d <target_device>
    
    <sample.exe file> -i <path_to_media> -m <path_to_model> -d <target_device>
    
    <sample.exe file> -i <path_to_media> -m <path_to_model> -d <target_device>
    
    <sample.exe file> -i <path_to_media> -m <path_to_model> -d <target_device>
    

CPU で推論を実行

次のコマンドは、dog.bmp ファイルを入力画像として、ir ディレクトリーからの IR 形式のモデルを、ターゲット・ハードウェアとして CPU を使用して、画像分類サンプルコードを実行する方法を示しています。

  • インテル® プロセッサー・グラフィックス (GPU) で推論を実行するには、前述したように、追加のハードウェア構成手順が必要です。

  • GPU での実行は macOS* では許可されません。

python classification_sample_async.py -m ~/ir/googlenet-v1.xml -i ~/Downloads/dog.bmp -d CPU
python classification_sample_async.py -m %USERPROFILE%\Documents\ir\googlenet-v1.xml -i %USERPROFILE%\Downloads\dog.bmp -d CPU
python classification_sample_async.py -m ~/ir/googlenet-v1.xml -i ~/Downloads/dog.bmp -d CPU
./classification_sample_async -i ~/Downloads/dog.bmp -m ~/ir/googlenet-v1.xml -d CPU
.\classification_sample_async.exe -i %USERPROFILE%\Downloads\dog.bmp -m %USERPROFILE%\Documents\ir\googlenet-v1.xml -d CPU
./classification_sample_async -i ~/Downloads/dog.bmp -m ~/ir/googlenet-v1.xml -d CPU

サンプル・アプリケーションが完了すると、上位 10 カテゴリーのラベルと信頼度が与えられます。推論結果の入力画像とサンプル出力を以下に示します。

../../_images/dog.png
Top 10 results:

Image dog.bmp

   classid probability label
   ------- ----------- -----
   156     0.6875963   Blenheim spaniel
   215     0.0868125   Brittany spaniel
   218     0.0784114   Welsh springer spaniel
   212     0.0597296   English setter
   217     0.0212105   English springer, English springer spaniel
   219     0.0194193   cocker spaniel, English cocker spaniel, cocker
   247     0.0086272   Saint Bernard, St Bernard
   157     0.0058511   papillon
   216     0.0057589   clumber, clumber spaniel
   154     0.0052615   Pekinese, Pekingese, Peke

その他のサンプル

このセクションでは、OpenVINO で提供されるすべてのサンプル・アプリケーションについて説明しています。それぞれがどのように機能するか詳細情報を提供し、独自アプリケーションへの導入に便利な開始点を提供します。