OpenVINO™ のインストールと構成のトラブルシューティング・ガイド#

ここでは、OpenVINO™ のインストールおよび構成中に発生する可能性のある問題に対する一般的なトラブルシューティングの手順と解決策を説明します。OpenVINO に関するサポートトピックの包括的なデータベースについては、次の場所にアクセスしてください:
中国のユーザー向け PIP でエラーが発生する

中国のユーザーは、OpenVINO™ のインストール中に PIP 経由でソースをダウンロードするときにエラーが発生する可能性があります。Python pip コマンドで -i パラメーターを使用してダウンロード・ソースを追加します。次に例を示します。

pip install openvino-dev -i https://mirrors.aliyun.com/pypi/simple/

上記の URL が https ではなく http である場合、--trusted-host パラメーターを使用します。次のコマンドで、特定のフレームワークをインストールすることもできます。例:

pip install openvino-dev[tensorflow2] -i https://mirrors.aliyun.com/pypi/simple/
ImportError: cannot import name ‘Core’ from ‘openvino’

このエラーは、C++ コンポーネントが不足しているシステムで発生する可能性があります。これは Windows* でのみ発生し、Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ [vc_redist.x64] をインストールすると問題が解決する可能性があります。依存関係の詳細については、システム要件追加のハードウェア構成を確認してください。

Docker から Linux* に OpenVINO をインストールする際のプロキシーの問題

Docker を使用したインストール中にプロキシーの問題が発生した場合は、Docker のプロキシー設定をセットアップする必要があります。詳細については docker ガイドを参照してください。

OpenVINO ランタイムと開発ツールのバージョンを確認する

OpenVINO ランタイムのバージョンを確認するには、次のコマンドを使用します:

from openvino.runtime import get_version get_version()
Python と PIP のバージョンを確認する

Python のバージョンを確認するには、python -VV または python --version を実行します。サポートされる Python バージョンは 64 ビットの 3.8 ~ 3.11 です。Python のバージョンが要件を満たしていない場合は、Python を更新します:

  • Windows* では、問題が発生する可能性があるため、Windows Store* から Python をインストールしないでください公式ウェブサイトから Python をインストールすることを強く推奨します。

  • Linux* および macOS* システムでは、公式ウェブサイトから適切な Python バージョンをダウンロードしてインストールします。バージョンの選択の詳細については、Python 入門ガイドを参照してください。macOS* 10.x には Python 2.7 がインストールされていますが、これはサポートされていないため、公式ウェブサイトから Python をインストールする必要があります。

PIP は、最新バージョンがインストールされていることを確認してください。PIP のバージョンを確認してアップグレードするには、次のコマンドを実行します:

python -m pip install --upgrade pip
環境変数が正しく設定されていることを確認する
  • すでにアーカイブファイルから OpenVINO をインストールしている Python 開発者が、現在 PIP で OpenVINO をインストールしている場合は、.bashrc からすべての PATH 設定と setupvars を含む行を削除します。PIP を使用して仮想環境に OpenVINO をインストールした場合は、環境変数を設定する必要がありません。

  • すでに OpenVINO をインストールしたことがある環境では、setupvarsPATH /.bashrc または Windows 環境変数に追加されている可能性があります。環境を再起動すると、次のような情報が表示されるはずです:

    [setupvars.sh] OpenVINO™ environment initialized
  • 上記の情報が表示されない場合は、PATH 変数が正しく構成されていない可能性があります。正しい <INSTALL_DIR> を設定しているか、または正しいディレクトリーでアクティブ化しようとしているか確認してください。

  • .bashrc ファイルに追加した場合は、コマンドの構文が正しいこと、およびファイルが ~/.bashrc フォルダーにあることを確認してください。

OpenVINO が正しくインストールされていることを確認する
  • Python 開発者が OpenVINO の正しいインストールを確認するには、次のコマンドを使用します:

    python -c "from openvino import Core; print(Core().available_devices)"

    OpenVINO が正常にインストールされていると、利用可能なデバイスのリストが表示されます。

  • アーカイブファイルから OpenVINO ランタイムをインストールした場合は、Windows* システムのアプリと機能で “openvino” を検索するか、Linux* のインストール・ディレクトリーをチェックして OpenVINO が存在するか確認できます。

  • APT から OpenVINO ランタイムをインストールした場合、apt list --installed | grep openvino コマンドを使用して、インストールされている OpenVINO パッケージを一覧表示します。

  • YUM から OpenVINO ランタイムをインストールした場合、yum list installed 'openvino*' コマンドを使用して、インストールされている OpenVINO パッケージを一覧表示します。

GPU ドライバーがインストールされていることを確認する

インテル® GPU と NPU など別のハードウェアで OpenVINO を使用するには、追加の構成が必要になる場合があります。GPU の追加構成で説明されているように、推論に使用するデバイスに必要なドライバーがインストールされていることを確認してください。

ファイアウォールとネットワークの設定を確認する

ファイアウォールとネットワーク設定が正しく構成されていることを確認します。例えば、システム全体のプロキシー設定を構成し、プロキシーの背後で PIP を使用するオプションを指定することを検討してください:

pip install --proxy http://address:port --trusted-host pypi.org openvino

特定の問題については、上記の「中国のユーザー向けの PIP 経由のインストールに関するエラー」および「Docker から Linux* に OpenVINO をインストールする際の問題」の質問を参照してください。

“meta-intel” レイヤーを追加すると Yocto イメージエラーが発生する

bitbake-layers add-layer meta-intel コマンドを使用すると、次のエラーが発生する場合があります:

注: bitbake サーバーを起動しています...エラー: 次の必須ツール (HOSTTOOLS で指定されたもの) が PATH で使用できないようです。続行するには以下をインストールしてください: chrpath diffstat pzstd zstd

この問題を解決するには、chrpath diffstat zstd ツールをインストールします:

sudo apt-get install chrpath diffstat zstd