インテル® VTune™ Amplifier 2018 ヘルプ
インテル® VTune™ Amplifier は、ユーザーが開発したシリアルおよびマルチスレッド化されたアプリケーション向けのパフォーマンス解析ツールです。インテル® VTune™ Amplifier は、アルゴリズムの選択と利用可能なハードウェア・リソースからアプリケーションがどのように恩恵を得られるか特定するのを支援します。
インテル® VTune™ Amplifier を使用して、以下を検出および特定できます。
アプリケーションやシステム全体で最も時間を消費する (ホットな) 関数
利用可能なプロセッサー時間を効率良く利用していないコード領域
シーケンシャルなパフォーマンスとスレッド化されたパフォーマンスを最適化するコード領域の候補
アプリケーションのパフォーマンスに影響する同期オブジェクト
アプリケーションが時間を費やしている I/O 操作、コード内の場所、およびその理由
異なる同期メソッド、異なるスレッド数、または異なるアルゴリズムのパフォーマンスの影響
スレッドのアクティビティーと移行
データのフォルスシェア、キャッシュミス、分岐予測ミスなどコード中のハードウェアに関連する問題
インテル® VTune™ Amplifier は、Windows*、macOS*、および Linux* 上にインストールでき、ローカルとリモート・ターゲット・システムの解析を行うために使用できます。デフォルトのインストール・ディレクトリーは次のとおりです。
Windows*: [Program Files]\IntelSWTools\VTune Amplifier <version>
Linux*: /opt/intel/vtune_amplifier_version
macOS*: /Applications/Intel VTune Amplifier <version>.app
Windows* システムでは、インテル® VTune™ Amplifier は Microsoft* Visual Studio* に統合できますが、スタンドアロン GUI クライアントでも利用できます。Linux* と macOS* システムでは、インテル® VTune™ Amplifier はスタンドアロン GUI クライアントで動作します。macOS* では、プロジェクトを設定し、リモートデータ収集を行い、収集した結果のデータをホスト上で解析できます。ローカル macOS* でのデータ収集はサポートされていません。サポートされるすべてのシステムで、コマンドライン・インターフェイス (amplxe-cl) によるデータ収集と回帰テストを行うことができます。
インテル® System Studio は、アプリケーションやシステムの電力消費を解析するインテル® Energy Profiler とインテル® SoC Watch コマンドライン・ユーティリティーを提供します。収集結果 (Windows* 向けの *.sww1、Android* 向けの *.pwr) を GUI バージョンにインポートして、インテル® VTune™ Amplifier を電力解析のビューアーとして使用できます。スタンドアロンとインテル® Parallel Studio に含まれるインテル® VTune™ Amplifier は、インテル® SoC Watch の結果もインポートできます。
この表は、インテル® VTune™ Amplifier で利用できるホストとリモート・ターゲット・プラットフォームの解析タイプをまとめたものです。
解析 |
Windows* ターゲット |
Linux* ターゲット |
Android* ターゲット |
FreeBSD* ターゲット |
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IDE (Eclipse*/Visual Studio*) |
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電力解析 (表示のみ) |
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¹プレビュー機能
²インテル® HD グラフィックスおよびインテル® Iris® グラフィックスのみ
³EBS 解析のみ
インテル® VTune™ Amplifier は、解析と結果の解釈を容易にする機能を提供します。
トップダウン・ツリー解析: アプリケーションにおけるパフォーマンス上重要な実行フローを理解するために使用します。
タイムライン解析: スレッドのアクティビティーとスレッド間の移行を解析します。
ITT API 解析: ITT API を使用してコード中の重要な移行ポイントをマークして、フレームあたりのパフォーマンス、タスクなどを解析します。
アーキテクチャー・ダイアグラム: GPU アーキテクチャー・ブロックごとの GPU ハードウェア・メトリックを調査することで、GPU OpenCL* アプリケーションを解析します。
ソース解析: 問題の原因を調査するため、ソース行ごとにパフォーマンス・データを表示します。
比較解析: 最適化後のパフォーマンスの変化を理解するため、最適化前と後のアプリケーションのパフォーマンス結果を比較します。
ポーズしてデータ収集を開始: コマンドバーにある [Start Paused (ポーズして開始)] ボタンをクリックして、パフォーマンス・データを収集せずにアプリケーションを開始し、[Resume (再開)] ボタンをクリックしてデータ収集を始めます。
グループ化: グリッド表示で異なる粒度でデータをグループ化して、異なる視点から問題を解析します。
ビューポイント: 解析結果向けに利用可能な事前設定されているウィンドウとペインを選択します。これは、特定の問題に注目するのに役立ちます。
"ホットキー" による解析の開始と停止: バッチファイルを使用して開始と停止のホットキーを作成し、特定の解析を行います。
インテル® VTune™ Amplifier は、アセンブリー・レベルの命令に関する特定の情報を利用するため、プログラム (ターゲット) にインテル® アーキテクチャー以外の命令が含まれていると、解析が正しく動作しないことがあります。この場合、インテル命令のみを含むターゲット実行ファイルで解析を実行します。解析が完了した後は、インテル以外の命令を含むアセンブラー・コードや最適化コンパイラー・オプションを使用できます。