インテル® VTune™ Amplifier 2018 ヘルプ

Linux* と Android* カーネルの解析

カスタム解析設定で提供されるイベント・ライブラリーを使用して、Linux* Ftrace* および Android* フレームワーク・イベントを選択してイベントベースのサンプリング・コレクターによる監視を行います。

ライブラリーからイベントを選択するには:

  1. 新しいハードウェア・イベントベースのサンプリング解析タイプを作成します。

    新しい解析タイプは、[Choose Analysis Type (解析タイプの選択)] ウィンドウの [Custom Analysis (カスタム解析)] ノードの下に表示されます。

  2. 新しいカスタム設定で、[Linux Ftrace events (Linux* Ftrace* イベント)] または [Android framework events (Android* フレームワーク・イベント)] エリアを使用してシステムの動作を監視するイベントを指定します。

    例えば、KVM ゲスト OS のプロファイルでは、IRQ インジェクション・プロセスを追跡するため、kvm、irq、sofirq および workq などの Linux* Ftrace* イベントの選択を考慮してください。

収集されたデータは、デフォルトのビューポイントにタスクとして表示されます。[Top Tasks (上位のタスク)] セクションで最も時間を消費するタスクを特定するには、[Summary (サマリー)] ウィンドウから調査を始めます。[Task Duration (タスク期間)] ヒストグラムのタスクタイプによって示されるタスク存続期間統計を解析します。

スライダーを操作して、多数で低速なタスク・インスタンス向けにしきい値を設定します。

[Top Tasks] セクションでタスクをクリックすると、タスクでグループ化された [Bottom-up (ボトムアップ)] ウィンドウが開きます。時間経過でのタスクを解析するには、[Platform (プラットフォーム)] ウィンドウに切り替えます。

インテル® VTune™ Amplifier プラットフォーム・ウィンドウ

制限事項

いくつかのシステムでは、Linux* Ftrace* サブシステムは /sys/kernel/debug/tracing の debugfs パーティションに配置されるため、root ユーザーのみがアクセスできます。この場合、インテル® VTune™ Amplifier はエラーメッセージを表示します: Ftrace collection is not possible due to a lack of credentials.Root privileges are required. このようなシステムで Ftrace* イベント収集を有効にするには、root 権限でインテル® VTune™ Amplifier を実行するか、root アカウントで chownコマンドを使用して手動でパーミッションを変更します。次に例を示します。

$ chown -R <user>:<group> /sys/kernel/debug/tracing

この手順は、bin ディレクトリーにある prepare_debugfs.sh スクリプトを使用して自動化できます。スクリプトは debugfs をマウントして、要求されるグループにパーミッションを変更し、この変更がシステムの起動時に自動的に反映されるようにインストール boot スクリプトを更新します。このスクリプトを実行するには、root 権限があることを確認してください。

パーミッションを自動的に変更するには、prepare_debugfs.sh スクリプトに、次の行を追加します。

$ ./install/bin64/prepare-debugfs.sh [option]

ここで、[option] は、次のいずれかです。

オプション

説明

-h| --help

使い方のヘルプを表示します。

-i | --install

オプションなしで設定します。スクリプトは debugfs boot スクリプトを設定し、適切なシステム・ディレクトリーにインストールします。

-c | --check

オプションなしでマウントします。スクリプトは debugfs を設定し、パーミッションをチェックします。

-u | --uninstall

以前にインストールした debugfs boot スクリプトをアンインストールして、設定を元に戻します。

-g | --group <group>

<group> には vtune 以外を指定します。

-r | --revert

debugfs 設定を元に戻します。

-b | --batch

オプションなしの非インタラクティブ・モードで実行します (すでにパーミッションが変更済みである場合)。スクリプトは debugfs を設定します。

関連情報