ウェブサーバー・インターフェイス

インテル® VTune™ プロファイラーをウェブサーバー・モードで利用すると、容易に導入でき、マルチユーザー環境で共同作業が可能な、収集されたパフォーマンス結果の共有リポジトリーにアクセスできます。

インテル® VTune™ プロファイラーをデスクトップ・アプリケーションとしてクライアント・システムにインストールする必要がないため、ウェブサーバー・インターフェイスでツールを素早く利用できます。インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーを使用して、任意のターゲットシステム上で解析の設定と制御を行い、収集した結果を表示できます。

ウェブ・インターフェイス経由で解析を実行します。

  1. (個人利用モード) インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーを実行し、ウェブ・インターフェイスにアクセスする URL を取得します。

    (リバースプロキシー/SAML SSO モード) 管理者からサーバーの URL を入手します。

  2. URL からサーバーにアクセスします。

  3. インテル® VTune™ プロファイラー・エージェントを展開します。

  4. ターゲットシステムを選択します。

  5. 解析を実行します。

インテル® VTune™ プロファイラー・エージェントを制御するには、管理者ダッシュボードを使用します。

インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーを実行

必要条件: インテル® VTune™ プロファイラー GUI とインテル® VTune™ プロファイラー・サーバーがインストールされていること。

個人利用/評価モードで、次のようにインテル® VTune™ プロファイラー・サーバーを実行します。

  1. インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーを起動します。

    <vtune-install-dir>/bin64/vtune-backend

    インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーが特定の TCP ポートにアクセスする場合、--web-port オプションでポートを指定します。次に例を示します。

    vtune-backend --web-port=8080

    インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーは、GUI にアクセスする URL を出力します。最初の実行では、URL にはワンタイムのトークンが含まれます。次に例を示します。

    実行されている GUI: https://127.0.0.1:64880?one-time-token=0160852eeff593e0ab0a0f90991b4efa

    オプションとして、--data-directory オプションを追加して、インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーの作業ディレクトリーを指定できます。次に例を示します。

    vtune-backend --web-port=8080 --data-directory="C:\vtune-results"

    追加のコマンドオプションを使用すると、コンテナでインテル® VTune™ プロファイラー・サーバーが使いやすくなります。詳細については、「コンテナ内でインテル® VTune™ プロファイラー・サーバーを使用する」を参照してください。

    インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーでは、ニーズに合わせて適切に構成されたカスタム階層のディレクトリーを作成できます。インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーを --data-directory オプションで起動してディレクトリーを指定すると、ユーザーはフォルダー名や入れ子レベルに関係なくすべてのプロジェクトと結果ファイルにアクセスできるようになります。これは、HPC スケジューラーを使用してインテル® VTune™ プロファイラーのパフォーマンス・データを収集し、ネットワーク上の共有フォルダーに配置して後で調査する場合に役立ちます。例えば、結果フォルダーをユーザーとワークロードごとに分類できます。

    • デフォルトでは、インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーへのアクセスはローカルホストのみに制限されています。リモート・クライアントとターゲットシステムからのアクセスを許可するには、--allow-remote-ui オプションを指定してサーバーを起動します。
    • デフォルトでは、サーバーホストのプロファイルは無効にされています。サーバーホストのプロファイルを有効にするには、--enable-server-profiling オプションを指定してサーバーを再起動します。

  2. 与えられたワンタイムトークンで URL を開きます。

    インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーを署名付き TLS 証明書が提供されていない個人利用/評価モードで起動すると、ウェブブラウザーはデフォルトの自己署名付きのサーバー証明書が信頼できないことを警告し、続行の確認を促します。

  3. [パスフレーズの設定] ダイアログボックスでパスフレーズを設定します。

リバースプロキシーまたは SAML SSO モードでは、管理者から通知された URL を使用して、ネットワーク環境にインストールされているインテル® VTune™ プロファイラー・サーバー・インスタンスにアクセスします。

インテル® VTune™ プロファイラー・エージェントを展開

インテル® VTune™ プロファイラー・エージェントの展開は、自動と手動のどちらかを選択できます。

エージェントを自動的に展開

インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーは、エージェントの自動展開に SSH を使用します。自動展開では、ターゲットマシン上で SSH サーバーを起動する必要があります。

エージェントを自動的に展開するには、次の操作を行います。

  1. ターゲットマシンのユーザー名を入力します。

  2. ターゲットマシンの認証情報を入力します。

    • [公開鍵認証] の場合、ターゲットマシンの authorized_keys ファイルに、[Username] フィールドで指定したユーザーアカウント用の公開 SSH 鍵を追加します。次に、クライアント・マシンにある秘密鍵ファイルを選択します。秘密鍵が暗号化されている場合、[秘密鍵のパスフレーズ] を指定します。

    • もしくは、[パスワード認証]に切り替えて、ユーザー名とパスワードを入力します。
  3. オプションとして、展開するディレクトリーを指定します。

  4. [エージェントを展開] ボタンをクリックします。

インテル® VTune™ プロファイラー・エージェントを展開

エージェントを手動で展開

手動でエージェントを展開するには、次の操作を行います。

  1. [解析の設定] ウィンドウの [どこを] ペインで、[エージェントを手動でダウンロード] ボタンをクリックするか、http://<インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーの URL>/api/collection-agent/download にアクセスしてエージェントをダウンロードします。

    wget などのツールを使用して、エージェントをターゲットシステムに直接ダウンロードすることもできます。

  2. エージェントのアーカイブを任意のツールで展開し、ターゲットシステムにコピーします。

  3. ターゲットシステムで、vtune-agent を実行する際に、-owner <vtune-user-id> オプションを使用してエージェントの所有者を指定します。

    インテル® VTune™ プロファイラーのユーザー ID は、[About] ダイアログに表示されます。

  4. [解析の設定] ウィンドウの [どこを] ペインにある、[エージェントのフィンガープリント] を、起動時にエージェントで示されるフィンガープリントと比較します。一致した場合、[エージェントの承認] ボタンをクリックします。

共有エージェント

インテル® VTune™ プロファイラー共有エージェントを実行できます。この場合、エージェントはインテル® VTune™ プロファイラー・サーバーのインスタンスのすべてのユーザーが利用できます。これは、インテル® VTune™ プロファイラー・サーバー・インスタンスのすべてのユーザーが、このエージェントを使用してデータ収集を実行できることを意味します。共有エージェントは、専用の匿名アカウントを使用してのみ実行することを推奨します。

共有エージェントを展開するには、[解析の設定] ダイアログの [どこを] ペインで、[インテル® VTune™ プロファイラーのすべてのユーザーでエージェントを共有] チェックボックスをオンにするか、エージェントを手動で展開する際に --shared コマンドライン・オプションを指定します。

クライアント・システムの選択

クライアント・システム (ウェブブラウザー経由でインテル® VTune™ プロファイラー・サーバーにアクセスするマシン) をプロファイルするには、以下を実行します。

  1. [新規プロジェクト...] をクリックして、新しいプロジェクト名を指定します。

    インテル® VTune™ プロファイラーは、ターゲットシステムとして事前に選択された localhost プロジェクト設定を開きます。

  2. 解析ターゲット解析タイプを設定します。

リモートシステムの選択

リモート・ターゲット・システムをプロファイルするには、次の操作を行います。

  1. 利用可能なターゲットシステムを見るには、[解析の設定] ウィンドウの [どこを] ペインで、 下矢印をクリックします。

  2. [新しいリモート・エージェントを追加...] を選択します。

    インテル® VTune™ プロファイラーは、利用されたリモートシステムのリストを保持し、[リモートターゲット] に表示します。

  3. ホスト名または IP アドレスを入力します。

解析の実行

エージェントが実行されると、[解析の設定] ペインに、インテル® VTune™ プロファイラーがデバイス構成を検出しているメッセージが表示されます。

エージェントは、コレクターとおよそ 100MB のターゲットパッケージをダウンロードします。ターゲットパッケージがダウンロードされると、エージェントはターゲットシステムの構成を解析し、適用可能な解析タイプを表示します。

解析を実行するには、次の操作を行います。

  1. 以下のコマンドを実行して、インテルのサンプリング・ドライバーを手動でインストールします。

    Windows*:

    <vtune-agent-dir>\bin64\amplxe-sepreg.exe

    Linux*:

    <vtune-agent-dir>/sepdk/src/build-driver

    <vtune-agent-dir>/sepdk/src/insmod-sep

    <vtune-agent-dir> は、インテル® VTune™ プロファイラーがクライアント・システム上に作成する <vtune_profiler_<version>> インストール・フォルダーです。

  2. 解析ターゲット解析タイプを設定します。
  3. 解析を実行するには、 [開始] ボタンをクリックします。

任意のアカウントで動作するプロセスの解析 (Linux*)

インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーは、任意のユーザーアカウントで実行されるプロセスを解析する方法を提供します。よく見られる例として、以前に任意のユーザーアカウントで起動されたプロセスを [プロセスにアタッチ] モードで解析する場合があげられます。プロセスを実行するアカウントが、インテル® VTune™ プロファイラー・エージェントが展開されたアカウントと同一とは限りません。

この機能を有効にするには、[何を] ペインの [高度] なオプションのセクションで、次のラッパースクリプトを追加します。


    #!/bin/sh
    # ターゲットプロセスの所有者でインテル® VTune™ プロファイラーのコレクターを起動
    sudo -C 65000 -A -u <ターゲットプロセスの所有者> "$@"

sudo コマンドは、<ターゲットプロセスの所有者> で指定されるアカウントでインテル® VTune™ プロファイラーのコレクターを実行します。このプレースホルダーは、ターゲットプロセスが実行されているアカウント名に置き換えてください。

解析中にターゲットのワークロードやコレクターが sudo による昇格を必要とする場合、インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーはウェブ・インターフェイスで対話形式のパスワードを要求します。



  • 対話形式の sudo 昇格では、sudo 権限を持つアカウントでインテル® VTune™ プロファイラー・エージェントが展開されている必要があります。展開時に指定する Username が、sudo 権限を持つアカウントに属していることを確認してください。
  • インテル® VTune™ プロファイラーは、パスワードをターゲットシステムに直接渡し、保存することはありません。

インテル® VTune™ プロファイラー・エージェントの制御

インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーの [管理者ダッシュボード] 機能により、複数のエージェントを 1 か所から監視または管理できます。

管理者ダッシュボードを開くには、次の操作を行います。

  1. ブラウザーでインテル® VTune™ プロファイラー・サーバーのインターフェイスを開きます。

  2. メインのツールバーで、ドロップダウン・メニューを開いて [管理者ダッシュボード] を選択します。

    ダッシュボードが新しいタブで開かれ、インテル® VTune™ プロファイラー・サーバーのインスタンスに関連するすべてのエージェントが表示されます。これには、接続されているエージェントと切断されたエージェントの両方が含まれます。

ダッシュボードでは、以下を有効にできます。

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