リモート解析向け Linux* システムの設定

解析を設定する際に、[どこを] ペインで [リモート Linux* (SSH)] を選択して、インテル® VTune™ プロファイラーの解析ターゲットとしてシステムを指定することで、ターゲット Linux* システム上でリモートにデータ収集することができます。インテル® VTune™ プロファイラーは、自動的にターゲットシステムに対応したコレクターをインストールするオプションを提供します。[リモートシステム上のインテル® VTune™ プロファイラー・インストール・ディレクトリー] フィールドに、インストール先の場所を指定します。

リモート Linux* システム上での自動インストールではサンプリング・ドライバーをビルドできませんが、パスワードなしの SSH で root ユーザーとして接続できれば、事前ビルドされたサンプリング・ドライバーをインストールできます。ドライバーを使用しないサンプリング・データ収集は、Linux* Perf ツールの機能をベースにしており、root アクセスなしで利用できますが、解析オプションの範囲が限られています。高度なハードウェア・イベントベース・サンプリング・データを収集するには、手動でサンプリング・ドライバーをインストールするか、root ユーザーアカウントでパスワードなしの SSH を設定してください。

  1. ターゲットシステムにインテル® VTune™ プロファイラー・コレクターをインストールします。

  2. サンプリング・ドライバーをビルドしてインストールします (これはオプションです)。

  3. ターゲットシステムへの SSH アクセスを設定します

インテル® VTune™ プロファイラー・コレクターを自動的にインストール

[どこを] ペインで [リモート Linux* (SSH)] ウィンドウに接続パラメーターを入力すると、インテル® VTune™ プロファイラーは、指定されたターゲットにインテル® VTune™ プロファイラー・コレクター・パッケージが存在するか確認します。

ターゲットシステムに適切なパッケージが見つからない場合、インテル® VTune™ プロファイラーはパッケージを自動展開することを提案します。

[展開] ボタンをクリックすると、コレクターパッケージの自動展開処理を開始します。

コレクターが自動インストールされないか、自動インストール後にエラーが発生した場合、コレクターは手動でインストールすることができます。

インテル® VTune™ プロファイラー・コレクターを手動でインストール

通常の Linux* ターゲット、または組込み Linux* ターゲットシステム上で解析を設定するには、次の手順に従ってください。

  1. ftp、sftp または scp コマンドを使用して、必要なターゲットパッケージをターゲットデバイスにコピーします。ホストシステム上にインテル® VTune™ プロファイラーがインストールされている場合、次のターゲットパッケージを使用できます。

    • <install-dir>/target/linux/vtune_profiler_target_sep_x86.tgz - x86 システム向けのハードウェア・イベントベース・サンプリング・コレクター (SEP) を提供します。

    • <install-dir>/target/linux/vtune_profiler_target_sep_x86_64.tgz - 64 ビット・システム向けのハードウェア・イベントベース・サンプリング・コレクター (SEP) を提供します。

    • <install-dir>/target/linux/vtune_profiler_target_x86.tgz - x86 システム向けのインテル® VTune™ プロファイラー コレクターを提供します。

    • <install-dir>/target/linux/vtune_profiler_target_x86_64.tgz - 64 ビット・システム向けのインテル® VTune™ プロファイラー コレクターを提供します。

    64 ビット・システム上で 32 ビット・プロセスを実行して解析する場合、*_x86 と *_x86_64 の両方のパッケージを使用します。

  2. ターゲットデバイスの /tmp または書き込み可能なディレクトリーに製品パッケージをアンパックします。

    target> tar -zxvf <target_package>.tgz

    インテル® VTune™ プロファイラーのターゲットパッケージは、新たに作成された、/tmp/vtune_profiler_<version>.<package_num> ディレクトリーに展開されます。

データをリモート収集する場合、インテル® VTune™ プロファイラーはターゲットデバイス上でコレクターを検索します。デフォルトの場所は、/tmp/vtune_profiler_<version>.<package_num> です。また、ターゲットシステムの /tmp ディレクトリーにパフォーマンス結果を一時的に格納します。ターゲットパッケージを異なる場所にインストールしたり、ほかの一時ディレクトリーを指定する場合、[解析の設定] ウィンドウでターゲット・プロパティーが次のように設定されていることを確認してください。

また、-target-install-dir-target-tmp-dir オプションも vtune コマンドラインから利用できます。

ドライバーを手動でビルドしてインストール

コレクターのインストール時にドライバーがビルドできなかった場合にのみ、サンプリング・ドライバーのビルドが必要となります。ドライバーをビルドする必要がある場合、インストール中に通知されます。

ターゲットデバイス上でハードウェア・イベントベース・サンプリング解析を有効にするには、次の手順に従ってください。

  1. ターゲットシステム上でサンプリング・ドライバーをビルドします。

    • カーネルヘッダーが、デバイス上で実行されるカーネルのバージョンと一致することを確認してください。詳細は、sepdk/src ディレクトリーにある README.txt ファイルを参照してください。

    • コンパイラーのバージョンが、ターゲットシステムで動作するカーネルのアーキテクチャー (x86 または x86_64) と一致することを確認してください。

    • /sys/bus/event_source/devices/cpu/format ファイルシステムに CPU PMU プログラミングの詳細をエクスポートするカーネル 2.6.32 以降を搭載したシステムでは、ハードウェア・イベントベース・サンプリング・モードのホットスポット、マイクロアーキテクチャー全般、およびカスタム・イベントベース・サンプリング解析タイプに root の認証情報とサンプリング・ドライバーは必要ない場合があります。オペレーティング・システムが、プロセスのアドレス空間に割り当てる最大メモリーサイズや、プロセスが同時に開くファイル数を制限する場合、プロファイル機能に影響する場合があります。これらの機能は、Linux* Perf* の機能をベースとしているため、その制限もまたインテル® VTune™ プロファイラーに適用されます。詳しい情報は、https://perf.wiki.kernel.org/index.php/Main_Page (英語) の「チュートリアル: トラブルシューティングとヒント」に記載されています。

  2. ターゲットデバイス上でドライバーをインストールします

    標準的な Linux* コマンドが使用できないため insmod-sep スクリプトが動作しない場合、Linux* の insmod コマンドを直接使用してドライバーを手動でインストールします。

Open Build Service (OBS) を使用して、RPM としてサンプリング・ドライバーをビルドするには、<install-dir>/sepdk/src ディレクトリーにある sepdk.spec ファイルを使用します。

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