レンダリング、ビデオ処理、および計算向けにグラフィックス処理ユニット (GPU) を使用するアプリケーションのプロファイルを行うため、-knob オプションを使用してインテル® VTune™ プロファイラーを設定します。GPU 解析は、GPU 全体のアクティビティー (グラフィックス、メディア、および計算) を監視して、インテル® HD グラフィックスおよびインテル® Iris® グラフィックスのハードウェア・メトリックを収集し、CPU プロセスおよびスレッド間のデータの関係を示します。
GPU 解析には次の knob がサポートされます。
Knob 名 |
サポートされる解析タイプ |
説明 |
---|---|---|
enable-gpu-usage=true | false |
runss、runsa |
フレームレートとプロセッサー・グラフィックス・エンジンの使用を解析します。 |
gpu-counters-mode=none |overview | global-local-accesses | compute-extended | full-compute | render-basic |
gpu-hotspots、graphics-rendering、gpu-offload、runss、runsa |
GPU メトリック・リファレンスに基づいて、プロセッサー・グラフィックスからのパフォーマンス・データを解析します。
このオプションは、インテル® グラフィックス・ドライバーがインストールされた、サポートされるプラットフォームでのみ利用できます。 |
gpu-sampling-interval=<value in us> |
gpu-hotspots、runss、runsa |
GPU サンプルの間隔を 10 から 1000 マイクロ秒で設定します。デフォルトは 1000 マイクロ秒 (us) です。100 マイクロ秒以下の間隔は推奨されません。 |
enable-gpu-runtimes=true | false |
gpu-hotspots、runss、runsa |
GPU 上の OpenCL* カーネルとインテル® Media SDK プログラムの実行時間を取得し、パフォーマンス・クリティカルな GPU 計算タスクを特定して、GPU ハードウェア・メトリックごとのパフォーマンスを解析します。 注現在 OpenCL* カーネル解析は、インテル® HD グラフィックスまたはインテル® Iris® グラフィックスを搭載した Windows* および Linux* ターゲットシステムでサポートされます。インテル® Media SDK プログラム解析設定は、Linux* ターゲットでのみサポートされ、root 権限で起動する必要があります。 |
例 1: インテル® Media SDK アプリケーションの解析を実行
この例では、vtune を root 権限で起動し、Linux* 上で実行されるインテル® Media SDK アプリケーションの GPU 計算/メディア・ホットスポット解析を行います。
vtune -collect gpu-hotspots -knob enable-gpu-runtimes=true -r quadrant_r001 -- BitonicSort
Windows* システムからリモートの Linux* ターゲットを解析する場合、同じ例は次のようになります。
vtune -target-system=ssh:user1@172.16.254.1 -collect gpu-hotspots -knob enable-gpu-runtimes=true -r quadrant_r001 -- BitonicSort.exe
例 2: OpenCL* カーネルトレース解析を実行
GPU 計算/メディア・ホットスポットまたはカスタム解析を実行し、enable-gpu-usage knob を有効にして、プロセッサー・グラフィックス・エンジンの GPU 使用を解析します。gpu-counters-mode:カウンターセットは、インテル® グラフィックス・ドライバーがインストールされた、サポートされるプラットフォームでのみ利用できます。また、enable-gpu-runtimes オプションと同時に使用してください。
例えば、GPU 計算/メディア・ホットスポット解析を実行するには、BitonicSortアプリケーションで GPU ハードウェア・メトリックを収集し、OpenCL* カーネルをトレースします (-g は、アプリケーションのオプションです)。次を入力します:
vtune -collect gpu-hotspots -knob gpu-counters-mode=overview -knob enable-gpu-runtimes=true -- BitonicSort -g
次の knob を使用して、インテル® HD グラフィックスやインテル® Iris® グラフィックスを搭載する Android* システムでアルゴリズム解析タイプ向けの GPU 解析を有効にできます。
enable-gpu-usage:Ftrace* イベントを基にフレームレートとインテル® HD グラフィックスやインテル® Iris® グラフィックス・エンジンの使用を解析します。
gpu-counters-mode:あらかじめ設定されたカウンターセットを基に、インテル® HD グラフィックスやインテル® Iris® グラフィックスからのパフォーマンス・データを解析します。
gpu-sampling interval:GPU サンプル間の収集間隔を指定します。
この例では、GPU 計算/メディア・ホットスポット解析を実行し、GPU の使用状況を監視します。
host>./vtune -collect gpu-hotspots -target-system=android -r quadrant_r001 -target-process com.intel.fluid -knob enable-gpu-usage=true -knob gpu-counters-mode=overview