バイナリーとシンボルファイルには、インテル® VTune™ プロファイラーが収集を実行、結果のファイナライズ、レポートの生成、および同様のアクションを実行する際に使用するデータが含まれます。モジュールを適切に解決するには、search-dirアクションオプションを使用して、バイナリーとシンボルファイルを検索するホスト上のディレクトリーと、ソースファイルを検索するsource-search-dirオプションを指定します。
vtune ツールに必要なファイルを検出するのに必要な情報が提供されていない場合、結果の整合性が取れなかったり、ファイナライズ処理に失敗することがあります。
ファイナライズ処理では、収集したデータをデータベースに書き込み、シンボル情報を解決して、データを事前計算し以降の解析をより効率良く迅速に行えるようにします。検索ディレクトリーがすべて判明している場合にのみファイナライズは成功します。
ファイナライズ処理中、結果ディレクトリーがデフォルトの検索ディレクトリーとして設定され、GUI での結果表示や結果レポートの生成が容易になります。レポートの生成時、report アクションにはデータ収集中に使用されたモジュールと同じものが必要です。
ほかのシステムからインポートされた結果のレポートを生成する場合、search-dir と source-search-dir アクションオプションを使用して、システムモジュールの検索ディレクトリーを指定します。インテル® VTune™ プロファイラーがシンボル/ソースを検索する際に、指定したディレクトリーは、ローカルの絶対パスよりも高い優先順位を持ちます。
ターゲットで使用されたシンボル/バイナリーファイルの検索ディレクトリーを指定するには、vtune コマンドで search-dir オプションを使用します。
vtune-report <report_type> -search-dir <search_dir> result-dir <result_dir>
コマンドライン・レポートでソースコード・ビューを有効にするには、次のように source-search-dir オプションを使用して、ソースファイルの検索ディレクトリーを指定します。
vtune-report <report_type> -source-search-dir <search_dir> result-dir <result_dir>
search_dir> は追加する検索ディレクトリーです。
<result_dir> は結果ディレクトリーです。
<report_type> は表示するレポートタイプです
このコマンドは、Windows* システム上の r001hs ホットスポットの結果に関連するコールスタック・レポートを作成し、最も順位が高いC:\Import\system_modulesディレクトリーでシンボルファイルを検索して、レポートを標準出力に送ります。-R は、-report アクションの短縮形です。-r は、result-dir アクションオプションの短縮形です。
vtune -R callstacks -search-dir C:\Import\system_modules -r C:\Import\r001hs
このコマンドは、Linux* システム上の r001hs ホットスポットの結果に関連するコールスタック・レポートを作成し、最も順位が高いhome/system_modulesディレクトリーでシンボルファイルを検索して、レポートを標準出力に送ります。-R は、-report アクションの短縮形です。-r は、result-dir アクションオプションの短縮形です。
vtune -R callstacks -search-dir /home/system_modules -r /home/import/r001hs
バイナリー/シンボルファイルが複数のディレクトリーに分散している場合、search-dir オプションを複数回使用して、必要なディレクトリーをすべて検索します。
vtune -collect hotspots -knob sampling-mode=hw -search-dir /home/my_system_modules -search-dir /home/other_system_modules -- /home/test/myApplication
このコマンドは、r001hs の結果に対して収集されたホットスポット解析メトリックデータでアノテーションされた、r001hs 関数のソースビューを開きます。そして、/home/my_sources ディレクトリーを使用してソースファイルを検索します。
vtune -R hotspots -source-object function=foo -r /home/my_project/r001hs -source-search-dir /home/my_sources