プラットフォーム電力解析ビューポイントを使用して、インテル® SoC Watch で収集された電力データを確認、視覚化、および解釈します。
Android* または Linux* デバイス上でインテル® SoC Watch バージョン 2.3 以降で収集された電力解析データは、インテル® VTune™ プロファイラーにインポートしてプラットフォーム電力解析ビューポイントで表示できます。[サマリー] ウィンドウは常に表示されますが、このビューポイント内のほかのウィンドウは、インテル® SoC Watch で収集されるメトリックに応じて利用できます。例えば、ddr-bw メトリックは、[DDR 帯域幅] ウィンドウに示されます。利用可能なメトリックは、デバイスのハードウェアとオペレーティング・システムによって異なります。それぞれのメトリックの詳細は、利用するオペレーティング・システムの『インテル® SoC Watch ユーザーガイド』を参照してください。
電力データは、次のメカニズムを使用して収集および可視化されます。
サンプル値データ: 値は、定期的または不定期に電力データをサンプリングして収集されます。(ノース・コンプレックス D0ix ステートのように) 範囲の値が設定されるか、(熱温度のように) サンプリングされた時点で値が測定されます。サンプリング・ポイント間の値は不定です。収集された値は、[タイムライン] ペインにサンプリング・ポイントとして表示されます。
例えば、ノース・コンプレックス D0ix ステート値を定期的にサンプリングする場合、サンプリング地点ごとに、サンプルが収集されたときの D ステート値が返され、[タイムライン] ペインに色分けされて示されます。
サンプル常駐データ: 値は、一定間隔でサンプリングして収集されます。値には設定範囲があります。それぞれの値間の正確な移行時間は不明ですが、それぞれの値に費やされた時間の割合が計算され、[タイムライン] ペインにヒートマップとして表示されます。
例えば、グラフィックス C ステートを一定間隔で収集した場合、収集時間中に異なる C ステート値で遷移しても、正確な遷移時間は追跡されません。代わりに、ヒートマップはある状態でほかの状態よりも多くの時間が費やされたことを示します。グラフにカーソルを移動すると、それぞれの状態で費やされた時間のパーセンテージを参照できます。
サンプル・カウントデータ: 値は、直前のサンプリング・ポイント以降のカウントを測定することで収集されます。その後、データは 1 秒あたりの比率として計算され、時系列の変化を示す [タイムライン] ペインにグラフとして表示されます。
例えば、DDR 帯域幅データはリード、ライト、部分リード、および部分ライトごとに異なる行のグラフで表示されます。サンプリング・ポイントはカウントが収集された時間を示します。
トレース常駐データ: 状態がある値から、別の値に変化すると値が収集されます。以前の状態で費やされた時間は判明しており、[タイムライン] ペインに表示できます。状況に応じて、コア P ステート常駐メトリックの周波数値など、追加メトリックが追跡されます。
例えば、コア C ステート常駐メトリックでは、プロセッサーは常に特定の C ステートにあります。C0 はアクティブ状態を示し、Cn はスリープ状態を示します。n の数字が大きくなるほどスリープ状態は深くなります。プロセッサーがある C ステートから別の C ステートに遷移すると、イベントが送出され前の状態の遷移と経過時間が記録されます。値は、[タイムライン] ペインで特定の状態の時間を示す色分けされたバーとして表示されます。タイムラインの領域をドラッグして選択し、メニューから [選択してズームイン] オプションを選択して、タイムラインの表示を拡大します。詳細は、「タイムライン・ビューの管理」を参照してください。
トレース・イベントデータ: 新しいイベントが発生すると値が収集されます。それぞれのイベントは、イベントが発生した正確な時間を示すイベントマーカーがタイムラインに表示されます。同じ種類のイベントは同色のマーカーで表示されます。タイムラインの右に示される凡例 (レジェンド) は、収集されたイベントタイプに対応する色分けされたマーカーを表示します。
ほかのトレースイベントとは異なり、ウェイクアップ・イベントとアボートイベントは、[タイムライン] ペインに △ のイベントポイントとして表示されます。各イベントはイベントタイプ (タイマー、スケジュールなど) ごとに色分けされます。バーの長さは、瞬間的なイベントであっても CPU スリープ状態との対応を表します。ウェイクアップやアボートイベントの時間は △ で示されます。