インテル® VTune™ プロファイラーは、組込み Linux* デバイス上でパフォーマンス・データを収集して解析できます。ここでは、Yocto Project* が動作する組込みデバイス上でパフォーマンス・データを収集するため、インテル® VTune™ プロファイラーを設定する例を示します。最初のセクションでは、必要なコレクターが自動的にインストールされる場合の典型的な使用法について説明します。2 番目のセクションでは、ハードウェア・イベントベースのデータ・サンプリング収集用のコレクターとインテル® VTune™ プロファイラー・ドライバーを手動でインストールする方法を示します。
ホストシステム上で次に示す手順を使用して、組込みデバイスでの解析を設定し起動します。
RSA キーを使用して、ターゲットへのパスワードなしの SSH アクセスをセットアップします。
インテル® VTune™ プロファイラーを起動してプロジェクトを作成します。
[リモート Linux* (SSH)] 解析ターゲットを選択して収集の詳細を指定します。インテル® VTune™ プロファイラーは、ターゲットシステムに接続して適切なコレクターをインストールします。自動インストールが失敗した場合、またはインテル® VTune™ プロファイラーのドライバーを使用してハードウェア・イベントベース・サンプリング収集を行いたい場合は、次の手順に従って手動でターゲットシステムを設定します。
解析タイプを選択します。
解析を開始します。
自動インストールが失敗した場合、次の手順を行います。
ターゲットパッケージのアーカイブをターゲットデバイスへコピーします。次のターゲットパッケージが利用できます。
<intall-dir>/target/vtune_profiler_target_sep_x86.tgz - x86 システム向けのハードウェア・イベントベース・サンプリング・コレクター (SEP) を提供します
<install-dir>/target/vtune_profiler_target_x86.tgz - x86 システム向けのすべてのインテル® VTune™ コレクターを提供します。
<install-dir>/target/vtune_profiler_target_sep_x86_64.tgz - 64 ビット・システム向けのハードウェア・イベントベース・サンプリング・コレクター (SEP) を提供します。
<install-dir>/target/vtune_profiler_target_x86_64.tgz - 64 ビット・システム向けのすべてのインテル® VTune™ コレクターを提供します。
例えば、次のコマンドは SCP を使用して、vtune_profiler_target_x86_64.tgz パッケージを組込みデバイスにコピーします。
scp -r vtune_profiler_target_x86_64.tgz root@123.45.67.89:/opt/intel/
ターゲットシステムでファイルを展開します。次に例を示します。
tar -xvsf vtune_profiler_target_x86_64.tgz
ターゲットシステムでサンプリング・ドライバーが利用できることを確認します。ドライバーをビルドする必要がある場合、インストール中に通知されます。そうでなければ、サンプリング・ドライバーをビルドしてターゲットシステムにインストールする必要があります。
ターゲットの組込みシステムでコンパイラー・ツールチェーンが利用できる場合、次の手順でターゲットシステム上でドライバーをビルドします。
コマンドプロンプトを開き、<install-dir>/sepdk/src ディレクトリーへ移動します。次に例を示します。
cd /opt/intel/vtune_profiler_2020.0.0.0/sepdk/src
ドライバーをビルドするには、./build-driver コマンドを使用してします。次に例を示します。
./build-driver -ni \ --kernel-src-dir=/usr/src/kernel/ \ --kernel-version=4.4.3-yocto-standard \ --make-args="PLATFORM=x64 ARITY=smp"
ターゲットの組込みシステムでコンパイラー・ツールチェーンが利用できない場合、次の手順でホストシステム上でドライバーをビルドして、ターゲットシステムにインストールします。次に手順を示します。
コマンドプロンプトを開き、<install-dir>/sepdk/src ディレクトリーへ移動します。次に例を示します。
cd /opt/intel/vtune_profiler_2020.0.0.0/sepdk/src
クロス環境のドライバーをビルドするには、./build-driver コマンドを実行します。必要に応じて、ビルドに必要なクロスコンパイラーとターゲットのカーネル・ソース・ツリーを準備します。次に例を示します。
mkdir drivers
./build-driver -ni \
--c-compiler=i586-i586-xxx-linux-gcc \
--kernel-version=4.4.3-yocto-standard \
--kernel-src-dir=/usr/src/kernel/ \
--make-args="PLATFORM=x32 ARITY=smp" \
--install-dir=./drivers