インテル® VTune™ プロファイラーは、ハードウェア・イベントベース・サンプリングを行うためカーネルドライバーを使用します。インストール中に、インテル® VTune™ プロファイラーのインストーラーは、サンプリング・ドライバー・キットを使用して、デフォルトのインストール・オプションで使用するカーネル向けのドライバーをビルドします。
状況によっては、権限不足やカーネル開発 RPM の欠落などが原因で、インストール中にサンプリング・ドライバーがビルドおよびセットアップされないことがあります。インストール中に、この問題に関するエラーメッセージが表示されます。Linux* ホストおよび Android* (コレクターパッケージのみ) システムでは、インテル® VTune™ プロファイラーにより、Linux Perf* ツール機能を使用するドライバーを使用しないサンプリング・データの収集が可能です。ドライバーを使用しない収集では、非ルートユーザーの解析にいくつかの制限がある場合があります。インテル® VTune™ プロファイラーは、ホットスポットまたはスレッド分析タイプでスタック解析を使用してハードウェア・イベントベースのサンプリング収集を実行する場合、Linux* システムでもドライバーを使用しないモードを使用します。
ドライバーベースのサンプリング・データ収集を有効にするには、次の手順に従って、次のサンプリング・ドライバーを確認またはインストールします。
Linux* システムでカーネルドライバーをビルドしてロードするには、カーネルのヘッダーソースと追加のソフトウェアが必要になることがあります。詳細は、sepdk/src ディレクトリーの README.txt ファイルを参照してください。
Linux* カーネルを更新すると、イベントベース・サンプリング (EBS) 解析向けに設定されているサンプリング・ドライバーとの互換性を損ねる可能性があります。システムが再起動されるたびにドライバーをカーネルにロードするため、インテル® VTune™ プロファイラーのブートスクリプトがシステムにインストールされていると、システムのブート時にドライバーはブートスクリプトによってリビルドされます。ドライバーのリビルドに必要なカーネル開発ソースは、Linux* カーネルの更新に対応している必要があります。
ロードされたドライバーが使用されず、収集も行われない場合、ドライバーのロードによる実行時間のオーバーヘッドは発生しません。メモリーのオーバーヘッドもわずかです。起動時にドライバーをロードできるようにしても (例えば、デフォルトの install-boot-script で) 、オーバーヘッドは発生しません。インテル® VTune™ プロファイラーがデータを収集しない限り、サンプリング・ドライバーはシステムのパフォーマンスにレイテンシーの影響を及ぼしません。