この記事は、インテル® デベロッパー・ゾーンに掲載されている「Sample Code: One Time Password (OTP) Demo」(http://software.intel.com/en-us/android/articles/sample-code-one-time-password-otp-demo) の日本語参考訳です。
サンプルコードのダウンロード: https://software.intel.com/en-us/file/otpdemozip
アプリケーション提供元:
インテル コーポレーション SSG
はじめに
従来、2 要素認証では、ユーザーが知っている情報 (ユーザー名とパスワード) とユーザーが保有している何らかの情報 (短時間だけ有効で、オンデマンドにて利用可能なトークンや 6 桁の乱数を生成するキーホルダー型の物) を組み合わせたワンタイムパスワード (OTP) が採用されます。
しかし、2 要素認証をすでに使用しているユーザーの多くが、トークンの使い勝手や持ち運びに関してさまざまな不満を感じています。また、紛失したり破損したトークンの交換や、ユーザーによる OTP の入力ミスは、ヘルプデスクと IT 部門を悩ませる原因にもなっています このような課題に応えるのが、OTP 機能を備えたインテル® アイデンティティー・プロテクション・テクノロジー (インテル® IPT) です。インテル® IPT は、ビルトインのハードウェア・トークンを提供することで、物理的なトークンを個別に用意する必要がありません。このため、2 要素認証に基づく VPN ログイン処理が簡素化され、遅延がほとんどないシームレスなユーザー体験を実現します。インテル® IPT に基づく 2 要素認証ソリューションは、OEM およびセキュリティー関連の ISV から提供されています。
この記事では、OTP 機能の高レベルの概要を説明し、Android* で OTP API を使用する方法を紹介します。
コードと説明
このデモには、OTP のプロビジョニング、OTP の生成、OTP の検証の 3 つの重要な機能が含まれています。また、システムの OTP 機能と OTP バージョンを照会する API も含まれています。
OTP のプロビジョニング
InvokeIPTProv は AsyncTask を拡張し、バックグラウンドでプロビジョニングを実行します。最初にセキュリティー・サービス (プロビジョン・サービス) を作成した後、プロビジョニング・プロセスを開始します。
@Override protected Void doInBackground(Void... params) { ChaabiProvision prov = new ChaabiProvision(); try { prov.execute().get(PROV_MAX_TIMEOUT, TimeUnit.MILLISECONDS); } catch (InterruptedException e) { error = "Provisioning failed: " + e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); e.printStackTrace(); } catch (ExecutionException e) { error = "Provisioning failed: " + e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); e.printStackTrace(); } catch (TimeoutException e) { error = "Provisioning failed: " + e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); e.printStackTrace(); } return null; }
OTP の生成
OTP の生成を開始する前に、デバイスがプロビジョニング・プロセスを正常に完了したかどうかを確認する必要があります。
// トークンが存在するかどうかを確認 if (!readData()) { tvOTPGenerate.setText( "OTP generation failed: No token exists. Please do provisioning."); return; }
次に、Async 呼び出しを行い、OTP を生成します。
boolean invokeResyncGenerateOTP(IPTWrapper obj) { try { // サーバーに再同期メッセージをリクエストして // 受け取った再同期メッセージを処理 InvokeIPTResync ipt_obj = new InvokeIPTResync(); boolean status = ipt_obj.execute().get(); if (status) { // サーバー再同期メッセージを処理 obj.ProcessResyncMessage(encrToken_b64, serverResyncMessage); // OTP の生成を再度呼び出す // トークンが OCRA タイプかどうかを確認 if (tokenInfo.equalsIgnoreCase( OTPDemoActivity.OCRA_TOKEN_INFO)) { invokeGenerateOTP(obj, true); } else { invokeGenerateOTP(obj, false); } displayOTP(); progressDialog.dismiss(); } else { String error = "Receive server resync message failed."; tvOTPGenerate.setText(error); progressDialog.dismiss(); OTPDemoActivity.OTP = null; return false; } } catch (IhaException e) { String error = "OTP generation failed. Message: " + e.getLocalizedMessage() + " Error code: " + e.GetError(); tvOTPGenerate.setText(error); progressDialog.dismiss(); OTPDemoActivity.OTP = null; return false; } catch (Exception e) { String error = "OTP generation failed: " + e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); tvOTPGenerate.setText(error); progressDialog.dismiss(); OTPDemoActivity.OTP = null; return false; } return true; }
OTP の検証
OTP が生成されたら、OTP の有効性を検証します。
ChaabiOTPVerify otp_ver = new ChaabiOTPVerify(); try { otp_ver.execute() .get(OTP_VERIFY_TIMEOUT, TimeUnit.MILLISECONDS); } catch (InterruptedException e) { error = "OTP verification failed: " + e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); e.printStackTrace(); } catch (ExecutionException e) { error = "OTP verification failed: " + e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); e.printStackTrace(); } catch (TimeoutException e) { error = "OTP verification failed: " + e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); e.printStackTrace(); } return null; ... } catch (JSONException e) { error = e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); status = false; e.printStackTrace(); } catch (UnsupportedEncodingException e) { error = e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); status = false; e.printStackTrace(); } catch (ClientProtocolException e) { error = e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); status = false; e.printStackTrace(); } catch (IOException e) { error = e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); status = false; e.printStackTrace(); } Log.v(LOG_TAG, "Return results: " + status); return status; }
OTP 機能の照会
ビルトインのハードウェア・ベースの OTP はすべてのモバイルデバイスで利用できるわけではないため、OTP 機能が利用可能かどうか、最初にシステムに照会します。
private boolean isOTPCapable(){ try { IPTWrapper caps = new IPTWrapper(); String cap = caps.GetCapabilities(); displayMessage("Capabilities: " + cap); return true; } catch (IhaException e) { String error = "GetCapabilities() failed. Message: " + e.getLocalizedMessage() + " Error code: " + e.GetError(); notifyUser("Failed: " + error); return false; } catch (Exception e) { String error = "GetCapabilities() failed: " + e.getClass().getName() + ": " + e.getLocalizedMessage(); notifyUser("Failed: " + error); return false; } }
まとめ
この記事で説明したサンプルのようなコードを実装することにより、OPT 対応インテル® IPT と OTP API を用いてインテル® プロセッサー搭載の Android* プラットフォーム上でハードウェア・ベースの OTP を利用する方法を素早く理解できます。
著者紹介
Peng Wang
インテル コーポレーションのソフトウェア & ソリューション・グループ (SSG) デベロッパー・リレーション部門 インテル® Atom™ プロセッサー・ハイ・タッチ・ソフトウェア・イネーブリング・チームのメンバー。SSG に入る前は、ウルトラ・モバイル・グループの統合および検証チームを指揮していました。
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