ウェブブラウザーで解析結果を表示

インテル® VTune™ プロファイラー

この記事は、インテル® デベロッパー・ゾーンに公開されている「Intel® VTune™ Profiler Performance Analysis Cookbook」の「Viewing Analysis Results on a Web Browser」の日本語参考訳です。原文は更新される可能性があります。原文と翻訳文の内容が異なる場合は原文を優先してください。


このレシピでは、インテル® VTune™ プロファイラーの解析結果をウェブブラウザーで表示する方法を紹介します。これは、インテル® VTune™ プロファイラーをインストールして解析を実行できないシステムで役立ちます。

通常は、インテル® VTune™ プロファイラーをホストマシンにインストールし、同じマシン上のターゲット・アプリケーションをプロファイルします。ホストとターゲットのシステムが異なる場合や、動作環境によっては、ホストマシンでインテル® VTune™ プロファイラーの GUI を開くことができず、コマンドラインのみにしかアクセスできない場合があります。macOS* システムでは、プラットフォームがサポートされていないため、インテル® VTune™ プロファイラーをインストールおよび実行してデータの収集や表示を行うことができません。インテル® VTune™ プロファイラーのユーザー・インターフェイスを使用できない場合は、代わりにウェブブラウザーで解析結果を開くことができます。

次の場合は、ウェブブラウザーを使用して解析結果を表示します。

  • 簡単にアクセスできる必要がある。複数のシステムにまたがる複数のユーザーが結果にアクセスできます。

  • 単一のリポジトリーを管理する必要がある。サイズの大きな結果や大量の結果を十分なストレージを持つシステムに保存し、ローカルシステムにコピーせずに済みます。

  • 管理するインテル® VTune™ プロファイラーのバージョンを減らしたい。単一のビューアーを使用することで、データの収集と表示に使用するインテル® VTune™ プロファイラーのバージョン間の不一致を回避します。

  • 結果のファイナライズを改善したい。シンボルの解決を向上するため、デバッグバージョンのバイナリーとソースを単一の場所に保存します。

  • インテル® VTune™ プロファイラー UI を使用せずに結果を表示したい。インテル® VTune™ プロファイラーをインストールせずに、Linux* サーバーで解析結果を確認できます。

コンテンツ・エキスパート: Jennifer Dimatteo (英語)

使用するもの

  • アプリケーション: インテル® VTune™ プロファイラーのインストールに含まれる matrix サンプル
  • ツール: インテル® VTune™ プロファイラー 2023 以降
  • ブラウザー: Google* Chrome*
  • オペレーティング・システム: Windows* 11 Enterprise

インテル® VTune™ プロファイラーのウェブサーバー向けのシステムの設定

インテル® VTune™ プロファイラーのウェブサーバーを使用するには、次のようなシステム要件があります。

  • 大容量のストレージ。インテル® VTune™ プロファイラーの結果は 1GB を超えることがあります。
  • ユーザーアクセス用のオープンなウェブポート。このポートは、コマンドラインからインテル® VTune™ プロファイラーを実行するときに指定します。

さらに、リモートシステムのプロファイルを行う場合は、以下を確認してください。

  • ウェブサーバーの実行に使用するシステムが、データ収集に使用するターゲットシステムと同じオペレーティング・システムであること。Linux* または Windows* マシンでなければなりません。これは、サーバーとターゲット間の適切な SSH 通信に必要です。結果をサーバーの結果ディレクトリーに手動でコピーする場合は、任意の OS の結果を使用できます。

  • ウェブサーバーとターゲット間の SSH 通信が有効であること。

インテル® VTune™ プロファイラーのウェブサーバーの起動

この例では、Linux* システムにインテル® VTune™ プロファイラーをインストールします。

  1. インテル® VTune™ プロファイラーを root 権限または sudo を使用してデフォルト設定でインストールします。Linux* にインストールする場合、GUI ライブラリーが見つからないという警告が表示されることがありますが、ウェブサーバーの実行にライブラリーは必要ないため、これらの警告は無視できます。

  2. ウェブサーバーを実行できるユーザーを選択します。ユーザーの資格情報は、ハードウェア・プロファイルの利用やターゲットプロセスへのアクセスなど、データ収集の実行に使用されます。例えば、インテル® VTune™ プロファイラーのハードウェア・ドライバーを使用するには、ユーザーはグループアクセス権が必要です。デフォルトのグループは vtune です。ハードウェア・ドライバーの使用方法の詳細は、「サンプリング・ドライバー」を参照してください。

  3. インテル® VTune™ プロファイラーのウェブサーバーを起動します。vtune-backend コマンドを使用します。次のオプションを設定します。

    オプション 目的
    web-port このポートはリモート接続でアクセス可能でなければなりません。このポートが指定されていない場合、インテル® VTune™ プロファイラーは利用可能なランダムなポートを選択します。
    data-directory インテル® VTune™ プロファイラーは、このディレクトリーで結果を検索します。デフォルトでは、このディレクトリーはウェブサービスを開始したユーザーのホーム・ディレクトリーにあります。カスタム・ディレクトリーを指定する場合は、ウェブサービスを開始するユーザーがカスタム・ディレクトリーにアクセスできることを確認してください。
    enable-server-profiling このオプションは、ウェブサービスが実行されるサーバーのプロファイルを可能にします。
    allow-remote-access localhost 以外のシステムからのブラウザーアクセスを有効にするには、このオプションを使用します。

    次のコマンドを使用します。

    • Linux*:
      $ vtune-backend -web-port=8080 -data-directory=/mnt/vtune-results/ --enable-server-profiling -allow-remote-access &
    • Windows*:
      vtune-backend --web-port=55012 --allow-remote-access --enable-server-profiling

ウェブサービスが開始すると、ローカルブラウザーに貼り付けることができる URL が表示されます。システム上で初めてウェブサービスを開始する場合、URL にはセキュリティー・パスフレーズの設定に使用するワンタイムトークンが含まれています。

訳者注: iSUS で公開されている日本語パッケージが適用されている場合、Windows* のコマンドプロンプトで chcp 65001 を実行してコードページを切り替えてください。

注: この手順では、公式の TLS 証明書を有効にしません。ウェブブラウザーでサーバーに接続すると、警告が表示されることがあります。

収集の実行

インテル® VTune™ プロファイラーのインストール・パッケージには、結果付きの matrix multiply サンプルが含まれています。デフォルトのデータ・ディレクトリーを使用する場合、結果はブラウザー上のユーザー・インターフェイスに表示されます。

次の方法でデータ収集を実行できます。

手法 説明
ウェブサーバーで収集を実行する [WHERE (どこを)] ペインでデフォルトの設定を使用します。
リモートシステムを設定する ターゲット上に収集エージェントをインストールする必要があります。これは手動または自動で行うことができます。詳細は、「インテル® VTune™ プロファイラー・エージェントのデプロイ」を参照してください。
ターゲット上で収集を実行して結果をコピーする インテル® VTune™ プロファイラーをターゲット OS に手動でインストールします。データ収集を実行し、結果をサーバーのデータ・ディレクトリーにコピーします。この方法は、SSH や権限の問題でリモート収集ができない場合に便利です。また、この方法を使用すると、新しいデータ収集を実行しなくても結果を表示できます。

この例では、ウェブサーバー上の matrix サンプルに対してホットスポット解析を実行する、上記の 1 つ目の方法を示します。新しいプロジェクト (new_test) を作成し、結果がサーバー上でどのように構成されるかを確認できるようにします。

収集された結果は、new_test ディレクトリーに保存されます。

この方法でインテル® VTune™ プロファイラーの結果を収集または開く場合、ローカルシステムへのインストールやコピーは不要です。インテル® VTune™ プロファイラーと収集結果は、リモートの devcloud システム上にのみ存在します。

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