この記事は、インテル® デベロッパー・ゾーンに掲載されている「Installing Intel Parallel Studio XE on AWS Windows Instances」(https://software.intel.com/en-us/articles/installing-intel-parallel-studio-xe-on-aws-windows-instances) の日本語参考訳です。
はじめに
この記事では、アマゾン ウェブ サービス* (AWS*) 上にインテル® Parallel Studio XE をインストールする手順とトラブルシューティングおよびヒントを説明しています。クラウド環境であるため、いくつかのツールの機能が制限されることに留意してください。システムの要件については、リリースノート (英語) をご覧ください。インテル関連のサポートについては、https://software.intel.com/support (英語) をご覧ください。
AWS* 入門
この記事では、読者がすでに AWS* 環境に精通していることを前提としています。AWS* を利用する詳細ついては、「Amazon Elastic Compute Cloud* ドキュメント」をご覧ください。
この記事では、以下を想定しています。
- 読者が AWS* アカウントを持っていること。
- AWS* 環境でインスタンスの作成に精通していること。
- インスタンスを起動する詳細については、「Amazon EC2* Windows* インスタンスの開始方法」および「インスタンスの起動」をご覧ください。
インスタンスを作成
- console.aws.amazon.com にログインします。
- EC2* ダッシュボードへ移動します。
- [Launch Instance] ボタンをクリックします。
- ステップ 1 – AMI の選択: インスタンスとして起動する AMI タイプを選択します。
推奨される AMI: 最新の Microsoft* Windows Server* Base - ステップ 2 – インスタンス・タイプの選択: デフォルトの t2.micro インスタンス・タイプを使用します。
注: 上部にあるダッシュボード・ステップ・バーを使用して任意のステップに移動できます。 - ステップ 3 – インスタンスの設定: 使用する VPC と サブネットを選択します
[Protect against accidental termination] ボックスをクリックします。 - ステップ 4 – ストレージの追加: インスタンスのストレージを最低 80GB に設定します。
- ステップ 5 – タグの追加: 固有の識別子を使用する場合、インスタンスに名前を付けます (例: Key = “Name”, Value = “Intel Parallel Studio XE”)。
- ステップ 6 – セキュリティー・グループの設定: デフォルトの設定を使用するか、セキュリティーの要件に合わせて設定を行います。追加設定に関しては、「フローティング・ライセンスを使用してインストール」をご覧ください。
重要: RDP、ポート TCP 3389 がアクセス可能であることを確認します。このセキュリティー・グループは、ライセンス・マネージャーのポート規則によって後で変更されます。 - ステップ 7 – 確認と起動: インスタンスを実行するには、[Launch] をクリックします。
- [Create Key-Pair] ダイアログ: 既存のキーペアを使用するか、[Create a new key pair] オプションを選択してキーペア名 (例:’Intel Parallel Studio XE’) を入力します。[Download Key Pair] をクリックします。キーファイル [.pem] が作成されます。ファイル (IntelParallelStudioXE.pem) を保存します。
注: キーファイルはこのときしか保存できないため、必ずダウンロードしてください。 - [Launch Instances] ボタンをクリックします。ダッシュボードに [Launch Status] が表示されます。[Instance Dashboard] に戻るには、インスタンス ID をクリックします。インスタンスの準備ができて接続できるようになるまでには、数分かかる場合があります。
セキュリティー・グループにライセンス・マネージャーのポートを追加 (フローティング・ライセンスを使用する場合のみ)
ライセンス・マネージャーは、リモート・クライアントにアクセスするポートで 2 つのプロセスを実行します。デフォルトのポートは 27009 [Imgrd] と 28519 [インテル・ベンダー・デーモン・ポート] です。次のステップでは、セキュリティー・グループが編集され、これらのポートが追加されます。
- インスタンス画面で、新たに作成されたインスタンスを選択します。詳細ペインをスクロールダウンして、[Security Groups] に移動し、名前をクリックします。セキュリティー・グループのリストが開きます。
- リストからクリップボードへグループ ID をコピーします。
- 下にあるタブから [Inbound] をクリックします。
- [Edit] ボタンをクリックして、現在のルールのダイアログウィンドウを開きます。
- [Add Rule] ボタンをクリックし、[Custom TCP] タイプで新しいルールを作成します。
- [Port Range] に 27000-27009 を入力します。
- ソースタイプを [Custom] のままにして、グループ ID を右側のテキストボックスにペーストします。
- [Save] をクリックします。
- FlexLM ポートを許可し、ローカル・クライアントのセキュリティー・グループをインバウンド・ルールで参照することで、クライアントがライセンスサーバーに接続できるようになります。
注: このセキュリティー・グループを作成すると、ライセンス・マネージャー自身を含む、同じセキュリティー・グループを持つほかのインスタンスだけがライセンス・マネージャーのポートにアクセスできるようになります。
ネットワーク・インターフェイス (ENI) の終了動作を変更
特定ユーザーライセンスは、ネットワーク・インターフェイスの MAC アドレスに紐付けられています。ネットワーク・インターフェイスが削除されないようにするには、ENI のデフォルト終了動作を変更する必要があります。これは、誤ってまたは意図的にインスタンスが終了された場合に備えるためです。
- インスタンス画面で、新たに作成されたインスタンスを選択します。詳細ペインをスクロールダウンして、[Network] 設定に移動し [eth0] をクリックします。ネットワーク設定のダイアログが開きます。
- ENI 設定ウィンドウを開くには、[Interface ID] をクリックします。
- [Actions] ドロップダウン・メニューで [Change Termination Behavior] を選択します。[Delete on Termination] チェックボックスをオフにし、[Save] をクリックします。
注: インスタンスの MAC アドレスを一定に保つための詳細は、以降の「特定ユーザーライセンスでインストール」をご覧ください。
インスタンスへ接続するパスワードを取得
[Instances] 画面でインスタンスを選択します。- 上部にある [Connect] ボタンをクリックします。
- ポップアップ・ダイアログの [Download Remote Desktop File] をクリックして RDP 接続ファイルをローカル Windows* システムへダウンロードします。以降の接続のためファイルを保存しておきます。
- [Get Password] をクリックして、インスタンスの管理者パスワードを生成します。
[Get Password] ダイアログで [Choose File] を選択し、保存してあるキー PEM ファイルを参照して暗号キーをロードします。 - キーがロードされたら、[Decrypt Password] ボタンをクリックして使用するパスワードを生成します。パスワードを保存して記録しておきます。
AWS* インスタンスへ接続
- インスタンスへ接続するには RDP ファイルをダブルクリックします。
- 注: [Unknown Publisher] という警告メッセージが表示されることがあります。[Connect] をクリックして接続を続行します。パスワードが要求されたら入力します。
- セキュリティー・ポップアップは、リモート・コンピューターの ID を確認できないことを警告しています。[Yes] を選択して続行します。
- 接続すると、接続した Windows* インスタンスのデスクトップが表示されます。
- 詳細については、「Windows* インスタンスへ接続」を参照してください。
IE セキュリティーの設定
IE ブラウザーのセキュリティー設定によって、製品のダウンロードやインストールが妨げられることがあります。これらがオフになっていることを確認するには、次の操作を行います。
- 実行されているすべての IE ブラウザーを閉じます。
- [サーバー マネージャー] を実行します。
- [ローカル サーバー] をクリックします。
- [IE セキュリティ強化の構成] の隣にあるリンクをクリックします。
- ポップアップ・ダイアログで、管理者とユーザーの両方で [オフ] オプションを選択して [OK] をクリックします。
- IE を起動して、[推奨設定を使用しない] をクリックします。
注: 設定とインストールの完了後に、より安全な設定に戻すことを推奨します。
インテル® ソフトウェア開発製品のインストール
AWS* インスタンスが動作したら、製品のインストールを続行できます。
入手したソフトウェア製品に関するメールをインテルから受け取った場合は、メールの指示に従ってシリアル番号を登録し、(アカウントがない場合は) インテル® ソフトウェア開発製品レジストレーション・センターのアカウントを作成します。
Microsoft* Visual Studio* のインストール
インテル® Parallel Studio XE を使用するには、Microsoft* Visual Studio* (MSVS) がインストールされている必要があります。MSVS 製品のライセンスを保持している場合は、インストールを行うことができます。ライセンスを保持していない場合、最新の MSVS Community ライセンスを取得し、インテル製品をインストールする前にインストールを行ってください。
重要: 統合を有効にするには、インテル® Parallel Studio XE のインストール前に MSVS がインストールされていなければなりません。インテル® Parallel Studio XE をインストールするインスタンスに、あらかじめ MSVS がインストールされていることを確認してください。
インテル® VTune™ Amplifier
基本ホットスポットとロック & 待機でのみインテル® VTune™ Amplifier を使用できます。これは、ツールが仮想環境で実行されるためです。詳細については、ユーザー・リファレンス・ガイドをご覧ください。
ダウンロード
製品をダウンロードします。
- 登録メールを開いてダウンロード・リンクをクリックします。
- または、インテル® ソフトウェア開発製品レジストレーション・センターにアクセスして自身のアカウントでログインします。[Products List] タブで、ソフトウェア製品を選択してダウンロードします。
ダウンロード時には、オンライン・インストーラーとオフラインパッケージを選択できます。
- オンライン・インストーラー – 製品をカスタマイズしてすぐにインストールを開始するか、後でインストールするためパッケージをカスタマイズしてダウンロードできます。
- オフラインパッケージ – このパッケージには製品のすべてのコンポーネントが含まれており、カスタマイズされたパッケージよりもサイズが大きくなります。
特定ユーザーライセンスでインストール
シリアル番号を使用して製品をインストールすることを推奨します。その他の製品アクティベーションについては、インストール・ガイドと製品ライセンス FAQ (英語) をご覧ください。
特定ユーザーライセンスで同時にアクティベーション可能な数は 3 に制限されています。詳細はインストール台数制限に関する案内をご覧ください。
フローティング・ライセンスを使用してインストール
フローティング・ライセンスのインストールは、ライセンスサーバーのインストールと製品のインストールの 2 つのパートで構成されています。
ライセンスサーバーのインストール
- インスタンスのホスト情報を取得します。
- getmac /v を実行してインスタンスの MAC アドレスを取得します。これは、ホスト ID として使用します。
- AWS* EC2* ダッシュボードから、インスタンスのプライベート DNS を特定します。これは、ホスト名として使用されます。
- インストールに使用するライセンスファイルを生成します。
- インテル® ソフトウェア開発製品レジストレーション・センターにログインします。
- [Serial Numbers] タブで、シリアル番号をクリックします。
- [ライセンスの管理] ページで、ホスト情報 [Host ID = MAC アドレス; Host Name = プライベート DNS] を追加します
- [Activate Serial Number] をクリックしてライセンスファイルを生成します。
- ライセンスファイルをダウンロードするかメールで送信します。インスタンスの場所にライセンスファイルを保存します。
- メモ帳などのテキストエディターを使用して、第 2 ポートを設定するため、ライセンスファイルの 2 行目を VENDOR INTEL port=28519 に変更します。その他の変更や書式を追加しないように注意してください。ファイルを保存します。
- ライセンス・マネージャーをダウンロードします。
- [ライセンスの管理] ページで、ライセンス・マネージャーを検索します。
- [ダウンロード] ボタンをクリックします。
- 注: インテル® ソフトウェア・ライセンス・マネージャーは、Windows* または Linux* 上で動作し、Windows* または Linux* クライアントのどちらかにライセンスを提供できます。
- ライセンス・マネージャーをインストールします。
- ライセンス・マネージャーをインストールする場合、[I have a license file] を選択します。ライセンスファイルを参照して選択します。
- [Activation – Choose Alternative Activation] というタイトルのメッセージが表示されたら、[次へ] をクリックします。
- [Set Firewall] ダイアログで、[Local Subnet Only] を選択します。
- ライセンス・マネージャーがインストールされると自動的に開始されます。手動で起動する場合、次の操作を行います。
- ホストシステム上のデスクトップで [Configure Intel® Software License Manager] アプリケーションを見つけて実行します。
- [Browse] ボタンをクリックし、’C:\Program Files (x86)\Common Files\Intel\License\‘ フォルダーに移動します。
- インストールされたライセンスファイルを選択し、[Start] をクリックしてライセンス・マネージャーを起動します。
- [Exit] をクリックしてアプリケーションを終了します。
重要: ライセンス・マネージャーをインストールしたインスタンスが終了されないように設定されており、ほかのインスタンスからアクセスできることを確認します。
注: ライセンスサーバーは、Windows* と Linux* の両方に対応しますが、ライセンスのタイプはクライアント OS と一致している必要があります。詳細については、製品ライセンスの FAQ (英語) をご覧ください。
製品のインストール
- 製品をダウンロードするには、登録メールのリンクを使用するか、インテル® ソフトウェア開発製品レジストレーション・センターにログインします。ダウンロードのオプションに関する詳細は、上記の「ダウンロード」の節をご覧ください。
- アクティベーション画面で、[I have a serial number and I want to activate my product] オプションを選択します。フローティング・ライセンスのシリアル番号を入力して、インストールを続行します。インテル® Parallel Studio XE の使い方については、入門ガイドをご覧ください。
トラブルシューティングおよびヒント
フローティング・ライセンスのチェックアウトを確認
クライアント上で環境変数 INTEL_LMD_DEBUG を 1 に設定し、コンパイラーなどのツールを実行します。出力の一番下にライセンスの入手先が表示されます。
フローティング・ライセンス・サーバーの場合、チェックアウトが正常に行われたことが示されます。
自動割り当てされたパブリック IP を持たないインスタンスへの接続
自動割り当てされたパブリック IP を使用せずにインスタンスを作成した場合、Elastic IP アドレスを使用する必要があります。Elastic IP アドレスの追加に関する詳細は、https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/elastic-ip-addresses-eip.html をご覧ください。
関連情報
- インテル® ソフトウェア開発製品レジストレーション・センター – https://registrationcenter.intel.com/ja/
- インテル® Parallel Studio XE インストール・ガイド
- 製品ライセンス FAQ (英語)
- インテル® FLEXlm* ライセンス・マネージャー FAQ (英語)
コンパイラーの最適化に関する詳細は、最適化に関する注意事項を参照してください。