この記事は、インテル® デベロッパー・ゾーンに公開されている「Doctor Fortran in “And They’re Off!”」(https://software.intel.com/en-us/blogs/2018/03/10/doctor-fortran-in-and-theyre-off) の日本語参考訳です。
最近、Fortran 分野において 2 つの重要なイベントがありました。「Doctor Fortran in “DIS, Dat and Doze”」 (https://software.intel.com/en-us/blogs/2018/01/09/doctor-fortran-in-dis-dat-and-doze) で紹介した通り、1 月に Fortran 2018 の国際規格案 (DIS) が国別投票のために提出されました。翻訳期間の約 8 週間を経て、3 月 9 日に正式に投票が開始されました。各国の ISO 機関 (国別標準化委員会) で投票が実施され、承認、コメント付き承認、否認されます。DIS は、新しい J3 Web サイト https://j3-fortran.org (英語) の [Documents] > [by Year] > [2018] > [18-007] から入手できます。
米国機関は (旧 INCITS PL22.3、通称 J3) は、2 月に開催された J3 会議において DIS のコメント付き承認に投票しました (文書 18-155 (英語))。投票期間は 6 月 2 日までで、6 月中旬にカリフォルニア州バークレーで開催される次の WG5 (国際委員会) 会議にちょうど間に合います。WG5 会議では、受理したコメントを検討し、承認するかどうかおよび承認したコメントが個別の FDIS (最終国際規格案) の作成を必要とする技術変更を伴うものかどうかを決定します。FDIS は国別投票を必要とするため、実施されることになった場合、公開日は 2019 年になります。WG5 がすべての変更は小さなものであると判断すると、国別機関の同意を確認するため 30 日間の投票が実施されます。各国が同意した場合、FDIS ステップは省略され、(必要に応じて編集を行った後に) 標準が公開されます。そうなることを願っています。
F2018 に関するニュースは以上です。F202X に移りましょう。以前にも紹介した通り、WG5 は次の Fortran 標準改訂の新機能についてユーザーから要望を募るため、数カ月にわたって調査を実施しました。137 の回答が寄せられ、それらは WG5 文書 N2147 (pdf) (英語) にまとめられました。WG5 会議の議長として私は、J3 メンバー全員に N2147 または自身の経験から上位 5 つの要望のリストを送ってくれるように依頼しました。 メンバーからの回答は J3 文書 18-122r1 (英語) にまとめられ、議論のためさまざまな J3 サブグループに配布されました。そして、各サブグループによりトピックに関して今後作業を行うかべきかどうかの推奨が提示されました。さらなる分析の結果あるものは実行不能と見なされ、議論の結果あるものは範囲が変更されました。その後、出席したすべての J3 メンバーで提案について議論し、それぞれの機能を WG5 に推奨するかどうかを決定するため模擬投票を行いました – 推奨に関する文書 18-156 (英語)。
F202X の取り組みはまだ始まったばかりです。ほかの国の機関は、それぞれの要望リストを提示してくるでしょう。また、WG5 メンバーにもそれぞれの要望リストがあるでしょう。私の目標は、2019 年 8 月末に東京で開催される WG5 会議までに機能リストを絞り込むことです。機能リストを管理可能なサイズに保つことでプロセスを促進し、遅くとも 2022 年または 2023 年までには何らかのものを公開したいと考えています。そうなるように祈っていてください。
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