この記事は、インテル® AI Blog に公開されている「A FASTER, SIMPLER PATH TO AI-ENABLED ROBOTICS: THE UP SQUARED ROBOMAKER DEVELOPER KIT, POWERED BY INTEL AND AWS」 (https://blogs.intel.com/iot/2020/02/26/faster-path-to-ai-enabled-robotics) の日本語参考訳です。
製造業やインダストリー 4.0 のスマート・ファクトリーなど、すべての業界でイノベーションのペースが加速しています。マシンラーニングによりデータの価値を解き放つことで次のフェーズへ進み、産業 IoT デバイスの革新により生産効率を継続的に向上することができます。
この非常に機敏性が高い自律生産の新しい時代において、ロボットはすでに中心的な役割を果たしており、産業プロセスに対するロボットの重要性はますます高まるでしょう。ABI Research によると、2017 年から 2027 年の間に、商業用ロボットの予測複合年間成長率は 63.2% になります1。この予測は我々の調査結果とも一致しており、メーカーはスマート・ファクトリーとオートメーションに対して前向きになっています。調査したメーカーの 59% は、「スマートな」ソリューションにより手作業または労働集約型の作業を行いたいと考えており、62% は人間と連携してタスクを処理できるスマートマシンを導入したいと考えています2。
しかし、革新的な AI 技術を業務に統合することは、メーカーと既存のインフラストラクチャーにとって大きな課題となります。管理が複雑になりすぎて、革新によってもたらされる効率の向上が打ち消されてしまう可能性があります。開発には時間と費用がかかり、困難も伴います。新しい AI 技術を採用しやすくするには、現代的なソフトウェア開発とクラウド展開が必要です。
UP Squared RoboMaker Developer Kit は、インテルおよび AWS* と連携して、大規模な AI 対応ロボット・アプリケーションの開発、テスト、および展開を容易に行えるようにします。分かりやすいチュートリアルにより、開発者はモジュールレベルからハードウェアを構築し、クラウドサービスを利用することで開発期間を短縮する方法を素早く学習できます。このキットを使用すれば、開発環境の設定とシミュレーションおよび展開用システムの構築に数カ月を費やす代わりに、プロトタイプから現場への展開を数日で行うことが可能です。
「UP Squared RoboMaker Developer Kit は、仮想テスト環境と現場のギャップを埋める、最初のプロダクション用ロボット開発キットです。ハードウェアの緊密な統合により、開発者に前例のない体験を提供し、プロダクションまでの時間を短縮します。」と AAEON Technology の副社長である Fabrizio Del Maffeo 氏は述べています3。
エッジでマシンラーニングとビジョンに対応するため、この開発キットは Intel Atom® プロセッサー、インテル® Movidius™ Myriad™ X VPU、インテル® RealSense™ カメラ、インテル® ディストリビューションの OpenVINO™ ツールキットを搭載した UP Squared ボードにより、単一のスケーラブルなプラットフォームを提供します。インテルによる AI の促進とインテル® ディストリビューションの OpenVINO™ ツールキットによる医療業界の変革の可能性について、同僚の Jonathan Ballon が詳しい記事 (https://blogs.intel.com/iot/2019/06/05/ai-evolves-from-prototype-to-production-in-new-age-of-democratization) を執筆しています。同じことが産業部門についても言えます。
AWS* と AAEON の緊密な連携により、開発キットのコンポーネントとソフトウェアは互いに最適に動作するように設計されています。AWS* RoboMaker との完全な互換性により、オープンソースのロボット・ソフトウェア・フレームワークである Robot Operating System (ROS) がクラウドに拡張され、開発者はクラウド API を利用してローカルの計算リソースを解放できます。また、AWS* はロボット・アプリケーションのリモート展開、更新、管理を行うフリート管理サービスも提供します4。
エッジ・アプリケーションにマシンラーニングとビジョンを容易に追加する手段を開発者に提供することで、可能性の世界が広がります。開発キットが手間がかかる作業を行うことで、開発者は業務を変革するロボットの作成に集中することができます。メーカーが AI の計り知れない可能性を引き出せるようにすることで、インテルはインダストリー 4.0 の実現に協力しています。
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参考文献
- https://blogs.intel.com/iot/2019/06/05/ai-evolves-from-prototype-to-production-in-new-age-of-democratization (英語)
- https://newsroom.intel.com/wp-content/uploads/sites/11/2018/04/abstract-intel-manufacturing-research.pdf
- https://up-board.org/up-squared-robomaker-developer-kit/ (英語)
- https://aws.amazon.com/jp/robomaker/