インテル® VTune™ Amplifier 2018 ヘルプ
ハードウェア・イベントベース・サンプリング解析タイプを実行するため、インテル® VTune™ Amplifier は、サンプリング・ドライバーを使用します。Linux* と Android システムでは、このドライバーは root 権限でインストールされている必要があります。何らかの原因で製品のインストール時にサンプリング・ドライバーがインストールできない場合 (root 権限がないなど)、インテル® VTune™ Amplifier は Perf ユーティリティーを使用する、ドライバーを必要としないモードでハードウェア・イベントベース・サンプリング解析を実行しようとします。
インテル® VTune™ Amplifier がドライバーを必要としない Perf ベースの収集を行うには、次の要件が満たされている必要があります。
システムのカーネルが 2.6.32 以降であり、/sys/bus/event_source/devices/cpu/formatファイルシステムで CPU PMU プログラミングの詳細がエクスポートされていること。
Perf ユーティリティーが利用可能であり、カーネルで有効にされていること。
アンコアイベントがシステムで利用可能であること。これをチェックするには、uncore_* デバイスが /sys/bus/event_source/devices フォルダーにあることを確認します。
アンコアイベントを収集するには、Perf がシステム全体をプロファイルできるように、/proc/sys/kernel/perf_event_paranoid の値が 0 以下に設定されている必要があります (root 権限が必要です)。
カーネルモジュールを解決するため、/proc/kallsyms ファイルからカーネルシンボルを読み取る権限が与えられていることを確認してください。
Linux* と Android* では、Perf ベースのドライバーを必要としない収集は、高度なホットスポット、全般解析、およびカスタム・イベントベース・サンプリング解析に使用できます。システムでアンコアイベントのサポートが有効である場合、インテル® VTune™ Amplifier は Perf 収集を使用してメモリーアクセス、HPC パフォーマンス特性およびメモリー帯域幅解析オプションが有効にされた全般解析タイプを行うことができます。
ドライバーを必要としない収集は Linux* の Perf 機能をベースとするため、Perf の制限はすべてインテル® VTune™ Amplifier のサンプリング解析にも適用されます。例えば、オペレーティング・システムによってプロセスが開けるファイルの最大数が制限されていたり、プロセスのアドレス空間にマップできる最大メモリーが制限されていると、Perf ベースのプロファイルに影響する可能性があります。詳細については、チュートリアルをご覧ください: https://perf.wiki.kernel.org/index.php/Main_Page にあるトラブルシューティングとヒントのトピック。
ローカルとリモートの [Launch Application (アプリケーションを起動)]、[Attach to Process (プロセスにアタッチ)]、および [Profile System (システムをプロファイル)] ターゲットタイプはサポートされますが、このサポートは /proc/sys/kernel/perf_event_paranoid ファイルで指定される Linux* Perf プロファイルの認証に依存し、root 権限を持つシステム管理者によって管理されます。perf_event に関連する設定ファイルのトピックの詳細は、http://man7.org/linux/man-pages/man2/perf_event_open.2.html (英語) をご覧ください。デフォルトでは、ユーザーとカーネル空間のユーザープロセスのみプロファイルが許可されるため、プロファイル・システムのターゲットタイプを適用するには perf_event_paranoid により広範囲のプロファイル権限を与える必要があります。
ドライバーを必要としないデータ収集を行う場合、インテル® VTune™ Amplifier のサンプリング・ドライバーをアンロードする必要があります。
メモリー・オブジェクト解析は、ドライバーを必要としないイベントベース・サンプリングではサポートされません。