ファイナライズとは、解析結果を効率良く利用できるようにするための処理で、インテル® VTune™ Amplifier で収集したデータをデータベースに変換し、シンボル情報を解決して、データをあらかじめ計算しておきます。インテル® VTune™ Amplifier は、データ収集が完了すると自動でデータをファイナライズします。
次の場合には、再ファイナライズを行ってください。
検索ディレクトリーの設定でシンボル情報を変更し、変更内容で結果を更新する場合。
結果に含まれる [Unknown (不明)] を解決する場合。
ターゲットを再コンパイルした場合など、再ファイナライズを行うマシンにターゲットのオリジナルのバイナリーがない場合は、再ファイナライズによって正しい結果が得られないことがあります。再ファイナライズは、古いデータベースを削除してから、新しいバージョンのバイナリーを取得します。コレクターの未処理データにはバイナリーのチェックサムが含まれていないため、インテル® VTune™ Amplifier にはバイナリーが変更されているかどうか分かりません。そこで、新しいバイナリーと古いアドレスを使用してシンボルを解決しようとします。その結果、スタックが正しく巻き戻されなかったり、サンプルが誤った関数に紐付けられることがあります。この問題を回避するには、正しいファイルを使用するように検索ディレクトリーを設定してください。
デフォルトでは、インテル® VTune™ Amplifier はファイナライズした後に未処理の生データを保存します。後で結果を再ファイナライズしない場合は、このデータを削除することで結果ファイルのサイズを減らすことができます。未処理データを削除するには、Microsoft* Visual Studio* メニューから [ツール] > [オプション] > [Intel VTune Amplifier <version>] > [General (全般)] ペインを選択して、[Remove raw collector data after result finalization (結果をファイナライズした後にコレクターの未処理データを削除)] オプションを選択します。スタンドアロン・インターフェイスで未処理のデータを削除するには、
メニューボタンをクリックし、[Options... (オプション...)]> [General] を選択します。
結果の再ファイナライズ
Microsoft* Visual Studio* IDE で結果を再ファイナライズするには、[ソリューション エクスプローラー] で結果を選択し、右クリックして [Re-resolve and Open (再解決して開く)] を選択します。
インテル® VTune™ Amplifier のスタンドアロン・インターフェイスで結果を再ファイナライズするには、次の操作を行います。
- メニューボタンをクリックし、[Open (開く)] > [Result... (結果...)] を選択します。
[Select Result (結果の選択)] ダイアログボックスが表示されます。
必要な結果ファイル *.amplxeを検索し、再度ファイナライズするには [OK] をクリックします。
選択した結果がデフォルトのビューポイントに表示されます。
[Analysis Target (解析ターゲット)] タブまたは [Analysis Type (解析タイプ)] タブをクリックします。
右側のコマンドツールバーにある [Re-resolve (再解決)] ボタンをクリックします。
インテル® VTune™ Amplifier は結果のファイナライズを繰り返します。[Binary/Symbol Search (バイナリー/シンボル検索)] または [Source Search (ソース検索)] ダイアログボックスで検索ディレクトリーのリストが更新されている場合、インテル® VTune™ Amplifier は最新のリストを使用してバイナリー/ソース/シンボルファイルを検索します。
注
(例えば、インテル® Xeon Phi™ プロセッサー上での解析で) 解析処理をスピードアップするには、ファイナライズを延期するコマンドライン・オプション -finalization-mode=deferred を指定して、インテル® VTune™ Amplifier がシンボル解決のためバイナリーのチェックサムはターゲットシステム上で計算し、結果のファイナライズはホスト上で行うようにします。また、GUI から任意のターゲットの設定を行うことで、結果のファイナライズを実行するシステムとターゲットシステムで起動されるコマンドラインの自動生成を選択することができます。