インテル® VTune™ Amplifier 2018 ヘルプ

複数実行とイベントの多重化

より精度の高い解析結果を得るため、イベントベース・サンプリングのデータ収集を複数回実行します。

インテル® VTune™ Amplifier は、選択された解析タイプ向けに定義されたイベントに基づくデータを収集するため、ハードウェア・イベントベース・サンプリングを実行します。1 度の実行でモニター可能なイベントの数は、プロセッサーのパフォーマンス・カウンターの数によって異なります。データ収集の複数回実行が有効である場合、インテル® VTune™ Amplifier は、解析タイプで指定されているすべてのイベントのデータを収集できるまで、ハードウェア・イベントベース・サンプリング・データ・コレクターを複数回実行します。解析ターゲットとして起動するアプリケーションを指定した場合、ハードウェア・イベントベース・サンプリング・コレクターを実行するたびに、そのアプリケーションが起動されます。

インテル® VTune™ Amplifier では、1 回のサンプリングで物理カウンターの使用を多重化して、データ収集の複数回実行を回避できます。イベントの多重化は、アプリケーションの複数回実行の必要性を排除することで、結果データの精度を下げて、サンプリングに必要な時間を短縮します。多重化モードで収集されるイベント・サンプル・カウントから、収集の合計実行時間が推定されます。

イベントの多重化は、アプリケーションに長時間の定常状態がない場合や定常状態になるまでに時間がかかる場合にも役立ちます。アプリケーションの初期化にかかる時間が短く、直ぐに定常状態になる場合は、イベントを多重化せずに短時間の実行を複数回行うことができます。

データ収集の複数回実行を有効/無効にするには:

  1. インテル® VTune™ Amplifier ツールバーの [Configure Project (プロジェクトの設定)] ボタン をクリックします。

    [Analysis Target (解析ターゲット)] タブがアクティブな状態で [Choose Target and Analysis Type (ターゲットと解析タイプの選択)] ウィンドウが開きます。

  2. ターゲットシステムを指定し、左のペインから [Application to Launch (起動するアプリケーション)] ターゲットを選択します。

    起動するアプリケーションが指定されている場合にのみ、データの複数回収集を実行できます。

  3. [Advanced (詳細)] セクションに移動して、[Allow multiple runs (複数回の実行を許可)] チェックボックスをオン (より正確なイベントデータ収集を行う場合) またはオフ (イベントの多重化を使用する場合) にします。

複数回実行モードを有効にした場合、インテル® VTune™ Amplifier は各イベントセットで数回データ収集を行います。[Timeline (タイムライン)] ペインで複数回実行を容易に識別できます: ポーズしたエリアにグレーアウトされ分離して表示されます。

複数回実行モードはメトリックの計算に影響します。すべてのメトリックの "total" タイプ (総時間、経過時間) では解析セッション全体が計算されますが、これには複数の実行ごとに取得された他のメトリックも含まれます。

アプリケーションを複数回実行せずにより高精度の多重化データを取得する場合、カスタム解析を作成してカスタム・ハードウェア・イベントベース・サンプリング解析設定で [Use precise multiplexing (高精度の多重化を使用)] オプションを有効にします。このオプションは、それぞれのサンプルでイベントグループを多重化するアルゴリズムを有効にします。このモードでは、短い実行時間でアプリケーションに信頼性の高い特性をもたらします。全般解析における MUX の確実性が低い場合、プリサイス多重化を有効にすることも考えられます。

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